「暗黙の了解」の中で生きてきた世代も声を上げる時


最終的に集まった署名は15万7425筆。2週間弱で集まった大きな数字に「時代は変わった」と感じた人も多いのではないでしょうか。実は私もその一人で、署名した当時「こんな風に署名しても、また何も変わらないんだろうな…」と諦め半分の気持ちでいました。mi-molletの編集長も先日のコラムで「私たちは、性差別について、また重要なことが密室で決められることについてなど、違和感を感じても大きな声で反論することは「スマートじゃない」暗黙の了解の中で生きてきた」と書きましたが、私もその一人だったと思います。しかし、時代は変わっている。私たちも長年染み付いた思い込みを捨て、声を上げる時なのだと感じます。

今回発起人となった3名は、いずれも25歳以下の女性たち。彼女たちが上の世代の女性たちに伝えたいことはどんなことか、聞いてみました。

「一番お伝えしたいのは、私たちの活動を応援してほしいということです。よく母と話すのですが、母たちの世代は、家族や周りの人間からプレッシャーを与えられ、人生を自分の好きなように生きられなかった人も多かった。だからこそ、次の世代の女の子たちがひとりでも苦しまないように、私たちの活動を応援してほしいのです。

そして2つ目は、今からでも遅くないということです。自分は女だからできないという考えを捨てて、どんどんやりたいことにチャレンジしていただきたい。そういった社会にするためには、どんどんいろんな人がアクションを起こしていくのがいいのだろうと思います」(山本さん)

「声を上げている人を見て、声を上げられない人が苦しくなってしまうということも少なくないのではないかと思っています。声を上げられないなら、それはそれで無理はしなくていいと思います。できる人ができる時にやればいい。そうすることで、末長く声を上げ続けられたらいいと思います」(福田さん)

「こんな思いをするのは私たちの世代でたくさんだ」と語る彼女たち。彼女たちより上の私たちの世代でも、同じ気持ちを抱える人は多いはず。次の世代の幸せのために、できることから声を上げていこうーーそう感じる人がこれからますます増えていくことを願ってやみません。

 

2月16日(火)署名提出後に行われた記者会見の模様
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取材・文/榎本明日香

 
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