気合を入れ直したところでダイエットがいばらの道であることに変わりはありません。外食時はカロリー計算した上でメニューを選び、自宅では米抜きの粗食、間食はお菓子ではなくナッツ類、というストイックな食生活を続けます。これに50分×週2回の筋トレを加えてダイエットを継続していきました。そうやって「欲望のままに生きる生活」を止めた市川さんにようやくご褒美が届きます。
ジムに通い始めて1ヶ月で、体重-7.2㎏、ウエスト-10㎝を達成。ガマンにガマンを重ねて得られたこの結果に、市川さんは深い感慨を覚えます。
ついにゴールが見えてきた……はずだったのですが、思わぬところに落とし穴がありました。
急激な減量をした人に訪れる「停滞期」。人間の体は1ヶ月で全体の5%以上の体重が減ると「飢餓状態かも?」と判断して体重が減らないようにする自己防衛機能があるのですが、市川さんはまんまとその壁にぶち当たってしまいます。
その打開策としてトレーナーから勧められたのが、ウォーキングといった有酸素運動でした。
半信半疑で家の周りの散歩を始めた市川さんですが、思いのほか自然が豊かだったり、無人の野菜販売所があったりと、新しい発見の数々に胸を躍らせます。
そして気づくのです。ダイエットがつらいか楽しいかは自分の心が決めていることだと……。
ダイエットに限らず、人生の困難を乗り越える時に最も重要なのは意識の持ち方ではないのか──市川さんの七転八倒ぶりの先にはそういった普遍的なメッセージが隠れている気がします。
この後、市川さんのダイエット計画は順調に進むのか? 2ヶ月後にはどんな景色が見えるのか? 気になる方はぜひ本書を手に取ってみてください。
『42歳・インドア漫画家 欲望のままに生きるのをやめたら、2ヶ月で12kgやせてました』
著者:市川ヒロシ 集英社 1210円
酒も油も炭水化物も大好きだった漫画家の市川ヒロシさんが、2ヶ月で12kgの減量に成功するまでの紆余曲折を、リアルかつコミカルに描いたコミックエッセイ。ユーモアたっぷりにつづられるダイエット奮闘記はもちろん、料理が得意な市川さん考案の簡単糖質オフレシピ、目標達成後のリバウンド撃退法も必見です。
構成/さくま健太
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