夜な夜な酒乱の義母に絡まれる
当然、Bさんが持ってきた物は家具どころか食器さえ置く場所がありませんでした。代わりに彼女には6畳の自室が与えられたので私物は全てそこに納めることになりました。これではまるで下宿です。
週の半分は、仕事で夜遅くまで夫がいない家に姑と二人きり。家の名義はBさんなのに、家具もキッチン道具も全て姑の持ち物。その上姑とは全く距離が縮まらず、それどころか「朝イチに挨拶に来ない」と夫経由で文句を言われたぐらいで、むしろ険悪と言ってもいい関係。
にも関わらず、その家の中で姑は一人早起きし、朝からサンマの塩焼き丸ごと1匹に肉じゃが、味噌汁、ご飯というような豪華なメニューを毎日こしらえ、頼んでもいないのにBさんのためだけに弁当を作って持たせてくれるのです。妊娠中、体重のコントロールに気を遣っていたため、これじゃまずいとせめてお弁当は結構ですと断っても断っても、また次の日差し出されるお弁当……。
しかし問題があるのは朝だけではありませんでした。ある夫のいない夜、姑は外出していました。久しぶりに誰にも気を遣わず過ごせる思っていると、23時ごろ、玄関から姑の金切り声が聞こえてきました。「この家はおかしいわよ!!」と狂ったように何度も叫ぶ姑。
びっくりしたBさんは「どうしたんですか? おかしいって、何がですか??」と慌てて駆け寄りました。するとお酒の匂いをさせながらろれつも回らない状態で「こんなの家族じゃないわ!!! なんで夫婦一緒に寝ないの!」と詰め寄る姑。
そう、義母は酒乱だったのです。
それからBさんは夫のいない夜に、酒に酔った姑に度々絡まれるようになりました。寝たフリをしても部屋のドアをコンコンとノックされ「ねえ、なんでリビングの暖房と電気を消しちゃうの?」などと文句を言ってくる。
「だって誰もいなかったから……」と答えれば「息子ちゃんが帰ってくるときに家が暗くて寒かったら可哀想じゃない!」と怒りをあらわに。思わず、「おかあさん、あの人も大人ですから大丈夫ですよ、自分で電気も暖房もつけられますから」と言い返せば、次の日「Bちゃんにいじめられた」と夫に言う。
そんな狂気の日々を過ごすうちにも時は満ち、やってくる臨月。
そうでなくても精神的に追い詰められているBさん。ところがそんな彼女に容赦無く襲いかかる出産トラブル、彼女は最悪のコンディションで最悪のフルコースを経験することになるのです。
(次回につづく)
前回記事「DV夫に「育児放棄妻」に仕立て上げられ、息子に二度と会えなくなった話」はこちら>>
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