コート類は入店前に脱ぎます。玄関では、中央を避け、正面を向いたまま靴を脱ぎ、斜めに向き直って、靴をそろえます。下足係がいる時は、「お願いします」と言ってお任せしましょう。手荷物やコートは預けます。

和室では、畳の縁や敷居を踏まないようにし、すり足で静かに、小幅で歩きます。ほんの少し目線を下げて歩くときれいです。床の間に近い上座の方には背を向けないよう心配りをしましょう。ちなみに、出入口から離れた床の間に近い場所が上座、出入口に近いほうが下座となります。状況に応じて相応しい席に座りましょう。バッグ類は座布団の前、もしくは左前へ置き、座布団やテーブルの上には置きません。
 

<会席料理の基本>


それでは、会席料理の基本的な流れといただき方をご紹介します。お料理は一品ずつ運ばれてきますので、出てきた順にいただきましょう。

・先付

美しく“会席料理”を楽しむマナーとは「魚を裏返す、フタに貝殻を置くはNG?」_img2
 

季節の味覚や珍味を少しずつ盛り合わせたもの。目で見て、楽しんで、盛り付けをなるべく崩さないように手前からいただきます。

 


・吸い物・椀

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季節の魚介や野菜が使われた、すまし仕立ての汁物。本格的なお料理の前に、お箸と口の中をきれいにするものです。漆器や塗りの椀が多いので、丁寧に扱いましょう。汁と具は別々にいただきます。あさりやはまぐりは、左手で貝を押さえていただいても構いません。殻はふたに出したりせず、沈めたままにします。


・向付(お造り)

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 淡泊な白身や貝類から濃厚な赤身へといただきます。わさびは醬油に溶かず、適量取って刺身にのせ、刺身を醬油につけ、醬油皿や懐紙で受けながらいただきます。
 

・煮物(炊き合わせ)

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 旬の野菜や魚介などの煮物。お出汁とともにしっかりと味わいます。まず器を楽しみ、次にふたを開け、中の景色を楽しみます。両手で持ってお出汁の香りを楽しんでから、お出汁を味わいます。それから中身をいただきましょう。お汁がたっぷり入っている場合は、ふたの裏や懐紙で受けていただきます。煮物のつゆは、箸を置いて、両手で椀を持って飲んでも構いません。