ミモレ読者の皆さん、こんにちは。
ミモレブロガーの梅津奏です。

私は2020年4月から〔ミモレ編集室〕に参加しています。
編集・ライティング講座に参加したり、課題に取り組んだり、編集室内でブログを書いたりしていたところ、チャンスをいただいて2021年1月にミモレブロガーに仲間入りしました。

ブログのタイトルは「本の処方箋、どうぞ♪」
編集室内でも定期的に書いていた、本の紹介ブログです。

読書という私の「好き」を通して、こんなに色々な繋がりが生まれるんだ!と、「好きでつながる」という〔ミモレ編集室〕のコンセプトを改めて噛みしめています。


さて、〔ミモレ編集室〕には、「メンバーイベント」というメンバーが企画・主催するイベント機能があります。

他のメンバーと楽しみたいこと、共有したいことをテーマにして、オンラインで集合!
私は昨年夏から、定期的に「読書会」を開催しています。

ミヒャエル・エンデの『モモ』や、ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、原田マハさんの『星がひとつほしいとの祈り』などなど。色々なジャンルの本を課題図書にしてきました。今日は、今月開催して大盛況だった「第六回読書会」の様子を、皆さんに少しご紹介したいと思います。
 

課題図書『ガラスの50代』(酒井順子)

課題図書は、ミモレの人気連載「ガラスの50代」をベースにした、酒井順子さんのエッセイ集。連載当時、愛読していた方も多いのではないでしょうか。

「社会」と「女性」を照らし合わせながら「その時々のリアル」を切り取る鋭さが、酒井さんの真骨頂ですよね。

高齢化社会が招く「若見せ」の呪縛、働くおばさんについて、孫問題、セックス問題、50代女性の必須アイテム「三つのキン」……。興味深いテーマが山盛りです。まだ30代の私は、来るべき未来をイメージしながら、「人生の予習にぴったりだ!」と鼻息荒く読んでいたものです。


さて、読書会に参加してくれたのは、30代~50代まで幅広い年齢層のメンバー約20名。

 

年齢だけでなく、住んでいる場所、仕事の有無、未婚・既婚、子供の有無、メンバーのライフスタイルは様々です。そんな彼女たちが「令和の50代のリアル」を読んだ感想とは、どんなものだったのでしょうか。

 


共感?反発? 人それぞれの、「同時代性」との付き合い方


酒井順子さんは、1966年生まれの54歳。
東京生まれ東京育ち。バブル期を女子大生として華やかに過ごした後、「均等法第一世代」として広告代理店に入社。数年後には退社してコラムニスト・エッセイストとして独立されました。

酒井さんはこれまでの人生を振り返り、50代は「人生三度目の成人式」を迎えるのではないかと書いています。


さらなる大人へ向けて脱皮前後の五十代は、そんなわけで心身ともにガラスのように繊細な季節。だというのに、上の世代からも下の世代からも、頼りにはされても心配はされないこの年頃の懊悩を、これから探ってまいります。


30代の私からすると、「おお、50代の女性というのはかくもフラジャイルなものなのですね……」と神妙になるところ。

しかし、まさに「酒井世代」の参加メンバーから上がったのは、

「バブル崩壊後の就職活動に苦しんだ私には、繊細な50代というのがどうにも共感できない」
「一口にアラフィフ世代といっても、バブル期に学生だったか社会人だったかとか、都市にいたか地方にいたかとか、そんな違いでそれぞれの人生は大きく変わってくる」

といった声。
もちろん酒井さんは、あくまでご自分の体験として書いていると思いますが、同世代だからこそ、時代の描写に「同時代性」アピールを強く感じてしまうのでしょうか。
うーん、これぞ読者のインサイト!
 

「人生の予習」の要否について


考えてみると、私自身が「自分より少し上の世代」のメディアが好きなのはまさにそれが理由です。同世代の語る「今」は、共感にせよ反発にせよ、ついつい過剰反応してしまいがち。

それより、上の世代の話を聞いて人生の予習をし、私の未来はどんな風になるだろうかとあれこれ夢想する方が楽しいと思ってしまいます。


しかし、「酒井さん世代」のメンバーさんたちのご意見はこちら。

「予習はいらぬ。先のことはわからないからいいのである」
「時代の変化の速さを痛感してきた。つまり、一昔前の女性の生き方は参考にならないことが多いのである」


な、なるほど……。(正座)

そういえば、酒井さんも、「ロールモデルを求めるな」と書いてらっしゃいました。

「時代の風潮」や「自分の価値観」で後輩世代を縛らない。それが、「酒井さん世代」のご婦人方に共通する優しさなんですね。

 

いかがでしたでしょうか。

「50代ってこんな感じなのですか?」
「そうそう、そうなのよ」

そんな、ほのぼのした展開を予想していた司会者の私。皆さんの嵐のような喧々諤々に圧倒されてしまいました。

そして読書会終了後、編集室の私のページに次々と寄せられる「面白かった!」「今回の読書会は神回だったね!」「これぞ、〔ミモレ編集室〕の読書会!」というメッセージ。


この読書会には、〔ミモレ編集室〕というコミュニティの性格がよく表れていると思います。

互いの「好き」を尊重し、多様性を賛美するけれど、だからといって予定調和は目指さない。それぞれの思いを素直に発信することで、それぞれの精神がより豊かになり、コミュニティが豊かになるのですね。

そんな〔ミモレ編集室〕は、ただいま第五期生を募集しています。皆さんも、私たちの仲間に入りませんか?
 

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