夫の意味不明な行動と、ハッキリ伝わってくる悪意
Bさんは離婚届を突きつけられてから提出するまでに2週間悩みました。でも最後は養育費を諦めても今のように経済的に依存されるよりマシ、協議離婚で済めば弁護士費用がかからないだけお得だと自分に言い聞かせて離婚を受け入れることにしました。
しかし実際に決心して「離婚届を出しに行く」と告げたところ、なぜか夫は「出せるもんなら出してみろ!」とBさんに言い放ちました。
出せるもんなら出してみろ?
一瞬何を言われたか分からず、ポカンと見返したBさん。
しかし般若のような顔で仁王立ちしてこちらを睨みつけてくる夫を見てハッキリ悟りました。
「……不受理届けを出したってこと?」震える声で尋ねるBさんに「お前に教える義理はない!」と勝ち誇ったように答える夫。
そうBさんが悟ったのは夫が自分に抱く、明確な悪意でした。
あまりに生々しい表情と伝わってくる毒々しい感情に恐怖を覚え、泣き崩れてしまったBさんを置いて満足気に部屋を出ていく夫。
Bさんは、泣きじゃくりながら初めてDV相談窓口に電話をかけて「夫が怖い」と訴えました。それまではあまりの内容に友達にも打ち明けられず、母親に相談しても最終的には「子どもがいるのだから我慢するしかないでしょう?」と諭されるばかり。これまでBさんは誰にも「無理することないのよ、離婚したいと思ってもいいの、家を出て避難したっていいのよ」と言ってもらったことがなかったのです。
この出来事の前から、子どもを連れて実家に帰る予定を立てて夫とも合意していたBさん。「これから実家に帰る」と告げると、夫は「今日は俺がこれから留守にするからダメだ、明日にしろ」となぜか1日延ばそうとする。でも、相談窓口の担当者の理解ある言葉でなんとか自分を奮い立たせ、いつものマザーズバッグに必要最低限の荷物だけを詰め、夫が外出した後に家を出て実家へ向かいました。
その途中で役所に寄り離婚届を出してみたといいますが、やはりその離婚届は受理されませんでした。予想通り、不受理届けが出されていたからです。不受理届けとは本人の同意に基づかない届出を受理しないようにするための制度なのに、離婚を迫り、念書まで取られた相手に不受理届けを出されるという意味不明な行動に加え、ハッキリと伝わってくる悪意。こうなってくるともうBさんには夫への恐怖しかありません。もうあの家には帰らないと、別居を決意したのです。
しかし、地獄はここからが本番でした。
(次回につづく)
前回記事「マザコン夫が私の妊娠・出産を喜んでいた「本当の理由」」はこちら>>
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