私の息子たちは18歳と15歳。いわゆるZ世代です。彼らの生きていく世界は「次世代がつくる未来」などと言われるけど、当然、このさき私が生きていく世界でもあります。親子で異次元に暮らしているわけじゃないからね。同じ星の上で、同じ社会を生きていく。協力しないと、みんなが生きていけなくなっちゃう。
だから一緒に話しますよ。環境も、人権も、政治についても。Z世代と生きるって、そういうことじゃないでしょうか。対等な当事者同士ですよ。同じ船の乗組員なんです。
若者を使って商品を売ろうとする人は、そもそも相手を対等な仲間だと思ってないですよね。Z世代が何を欲しがっているのかを知りたいのでしょうけど、SDGsを本気で考えている人が望んでいるものは、世代を超えて同じです。何かって?さ、ググって。SDGsにはそれが17個、書いてありますよ。
もしもビジネス目的ではなく、純粋に“SDGsな若者”を知りたくて話を聞きに行くなら、その前にまずは1冊本を読むとか、いろいろ検索するとか、自分なりに基礎を勉強して、一人称の動機を持つことです。「地球温暖化がめちゃ心配」「生理の貧困をなんとかしたい」「海をきれいにしたい」「女性差別をなくしたい」なんでもいいから、自分ごとの動機を見つけて、その上で若者たちに「あなたはなぜ行動しているの?あなたの話を聞かせてほしい。私にも何かできないかな」と尋ねるのが筋ではないでしょうか。
“Z世代”と雑にネーミングされた若者たちが求めているのは、大人たちからの賞賛ではなくて、一緒に考えて行動してくれる人とのつながりです。猫撫で声で甘えてくる不勉強な大人たちに、先生でもないのに時間を割いて教えてあげるほど、彼らは暇ではありません。彼らには彼らの、あなたにはあなたの、同じ地球での未来がある。それを幸福で安全なものにするために、今やるべきことを、ともに考えて実行しましょう。
前回記事「日本は深刻な“男尊女卑“依存...ジェンダーギャップ120位の背景【小島慶子】」はこちら>>
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