年を重ねることのメリットとして、これまでの連載で「知恵が豊富になる」「免疫が獲得できる」といったことを挙げてきましたが、アレルギー性の疾患に苦しむ方にとっても、加齢は味方になってくれるかもしれません。

 

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アレルギー性疾患の頻度が減少


アレルギーのメカニズムを担うプレーヤーの一つに、IgEと呼ばれる抗体があります。この抗体は、感染症などに応じて作られるそのほかの抗体が加齢で減少傾向となるのと同様、年齢とともに減っていくことが知られています。このため、加齢によって、アレルギー反応も軽減してくると考えられています。
実際に、アレルギー性疾患のピークは幼少期と20〜30代の二峰性にあると考えられており(参考文献1)、それ以降は50-60代にかけて頻度が減ってくることが報告されています(参考文献2)


偏頭痛持ちに朗報


また、アレルギー性疾患同様、偏頭痛も高齢者には少ないことが報告されています(参考文献3)。偏頭痛は30代の女性に多く、そこから年齢とともに罹患する人の割合は減っていきます。次のグラフをご覧いただくと、60歳以降でその割合がとても小さくなるのがわかると思います。
もちろん「皆が良くなります」と言えるわけではありませんが、偏頭痛持ちの方にとっては、良いニュースと言えるかもしれません。

 

また、スウェーデンで行われた別の研究では、偏頭痛が続く人でも、加齢とともに発作が短く、軽くなり、頻度も減少することが報告されています(参考文献4)。ひどい偏頭痛のある人にとっては、今ほどの発作を繰り返し続けなくても良いのかと思える安心材料になるかもしれません。

 
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