高齢の“依存親”との上手な付き合い方3:自立心や生きがいを持たせる


「自立の大切さ」を学ばないまま、高齢になってしまう人は少なからずいます。そういう人は、家族に負担をかけすぎてしまい、関係を悪化させてしまうことが少なくありません。
また、何か生きがいがないと毎日の生活を楽しめないため、心身共に弱っていきます。そうすると、子供にかまってほしくなってくるところもあるでしょう。

 

だから、依存しがちな親には「自立の大切さ」や「老後の楽しい生き方」のヒントを与えることも大切。もし読書をする親であれば、そういったヒントが書かれた本をプレゼントしてもいいでしょうし、そうでなければ、老後の有意義な生き方を描いた映画を一緒に観てもいいでしょう。

色々と素敵な作品はあると思いますが、私が知っている限りでいえば、本は、上野千鶴子さんの「おひとりさまの老後」(文春文庫)はオススメです。女性向けではありますが、高齢者に役立つだけでなく、アラフォー世代でも参考になる一冊。「老後は、子供に面倒を見てもらうことが幸せ」なんて価値観を払しょくさせる内容になっています。

映画だと『人生、いろどり』(御法川修監督)は、“おばあさんたちの自立”を描いた作品で、面白いです。徳島県の上勝町で、山で採れる葉っぱを料理の「つまもの」として販売する、元気なおばあさんたちの“実話を元にしたお話”です。映画の中の話だけに限らず、現実でも、“葉っぱビジネス”をやることで、元気な高齢者が増え、寝たきりだった人までも起き上がってきたそうです(笑)。それだけ、高齢者たちに必要なのは「生きがい」だということなんですよね。

ちなみに、今は亡き、私の祖母は、近隣におじいさん、おばあさんの友達が何人もいて、生前は新しい観光スポットや施設ができる度に、友達とタクシーを貸し切って遊びに行っていました。家族の誰よりも最新情報に詳しかったです。だから、高齢者になっても、「一緒の遊べる友達」は大事なものです。
もし友達がいないと、「話し相手は、子供(と孫)しかいない」なんてことになり、子供(と孫)に精神的な負担がかかってしまうので、親に習い事や地域活動などを薦めて、「日々の楽しみ」と「友達」の両方ができるように誘導してあげるのもいいかもしれません。

子供は「どうしたら親からの負担が減らせるか」ばかりを考えがちですが、一番大事なのは、「どうしたら親が幸せに生きていけるのか」を考えること。「自立」も「生きがい」も「友達」も、幸せに生きるために重要なものです。親と共に自分も学んでいくと、いつか“自分の老後”でも役立つでしょう。