「ハナミズキ」などの大ヒット曲を持つアーティストの一青窈(ひととよう)さん。当初は、新型コロナのワクチンに対する怖さがあったといいます。一青窈さんの不安は、医師の山田悠史さん(老年医学・緩和医療科医)や、稲葉可奈子さん(産婦人科医)らと何度か話すことによって、かなり解消されたそうです。三人のお話をミモレで再現してもらいました。
山田悠史(以下、山田) これまでも、新型コロナのワクチンについて、Clubhouseなどで何度かお話をしてきました。ここまでで、ワクチン接種に対する不安に何か変化はありましたか?
一青窈(以下、一青) もともと、私はワクチンに対して肯定的ではありませんでした。ワクチンを勧める人は、もしかして製薬会社からお金をもらっているんじゃないかとも思っていました。ですが、お話をしてみて、医師の方がワクチンの意義を深く考え、たくさんの人に接種を受けてほしいからという思いで動いていることがわかり、腑に落ちたというところです。様々な人の意見に左右されて、勝手に不安になっているという自分の姿が浮き彫りになりました。今はワクチンを受けたいと思っています。
ただ、まわりには、ワクチンを打つのはやはり怖いという人がいます。不安になる気持ちは理解できますが、不安になる原因は人それぞれなのかもしれません。
どのように感染するのか?
一青 今日はあらためて、基本的なことから教えてください。最近、日本では会食やお酒の場に対して制限がかかっていますよね。一緒に食事をすると感染しやすいのでしょうか?仮に、しゃべらず、ストローでジュースを飲むような状況でも感染はするのでしょうか?極端に言えば、しゃべらずさわらず、ウイルスを持った人が1メートル以内にいるだけで感染するのかどうか、知りたいです。
山田 質問、ありがとうございます。基本的に感染は人から人へとうつるものです。空気中にウイルスが浮かんでいてそれによって感染するというようなことはありません。目の前にウイルスを持っている人がいて、その人が大声を出したり、せき込んだりした時に、唾液などが混じった飛沫が飛んできます。この飛んできたものを吸い込んでしまうと、ウイルスを身体にとりこんだということになります。
ということは、1メートル先にウイルスを持っている方がいたとして、その方が無言で、ただ息をしているだけだとすれば、そもそも飛沫が飛ぶという可能性が低いわけです。そこにさらに一青窈さんがマスクをしていれば、仮に飛沫が飛んできてもマスクに付着して、身体には入らないで済むかもしれません。
静かにしていれば飛沫は飛びにくくなります。マスクをしていれば、そこでブロックしてくれることも期待できます。あるいは、しゃべっている側もマスクをしていれば、そもそも飛沫が飛ぶ可能性を下げることができます。
話す側も聞く側もマスクでブロックしていれば、二重のブロック構造になります。そんなかたちでウイルスをやりとりすることを防ぐことが可能なのです。
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