――アルゼンチンタンゴのレッスンのほかに、どんな経験をしたのでしょう?
日本の反対側に行くのが夢だったから、観光ももちろん楽しみました。イグアスの滝もアルゼンチン側とブラジル側、両方から見たんですよ。
足が折れるかと思うくらい歩いたけど、本当にきれいでした。
ブラジル側はちょっと遠目から全体を見られる感じで、アルゼンチン側は水の中に入って行く、っていう違いがあって。
パラグアイも経由したからか、ブラジルのイミグレーションでトラブルもあったのですが、ちゃんと説明したら「イリーガルじゃないからOK!」ってことになったり……。
ツアーじゃなくて個人で行くのは結構ハードルが高いと思います。
あと絶対に行く、と決めていたのがメンドーサ。マルべックのワインを作っているワイナリー巡りもできました。
踊りも含めて、とにかくよく歩いた旅でしたね(笑)。
そういえば私が行った1週間後くらいに、イグアスの滝の水が減ってカラカラになったそうなんです。
今はコロナ禍で自由に海外に行けない時代になりましたし、思い切って行けるときに行っておいてよかったな、と思っています。
――学び続けているスペイン語がさらに上達する環境だったのではないかと思いますが、いかがでしたか?。
ほとんど日本語を使っていなかったので、滞在している間は上達したんじゃないかなと思います。
でも友達同士が集まると会話のスピードが全然違うから、ついていけなくなっちゃうんですよ。
そういうときは、「もうちょっとゆっくり話してくれたらいいのに!」って思っていましたね(笑)。
ニューヨークでも、みんなが話しているときに何を言っているのか全部理解するのが難しくてとりあえず笑っている……、みたいな経験もしているので、日本に来た外国人の気持ちが想像できるようになりました。
スペイン語も英語も高いレベルに到達していないので、語学をクリアしている人たちをすごく尊敬しています。
アルゼンチンの旅から帰ってきてから、語学を勉強し直そうと思っていたんですよね。英語は以前よりも話す機会が減ったから本当はもっと勉強しなきゃいけないし、スペイン語ももっとレッスンに通っている予定だったんですけど、今は仕事が忙しくなってしまいなかなか通えていない状況です。
――アルゼンチンタンゴの魅力と難しさにも、改めて気づいたり?
ハマりはじめた頃は、もっと簡単だと思っていたんです。
『CHICAGO』に出演したときも大変だったけど、タンゴならセリフがあるわけじゃないし、って。
でもこの世界に足を踏み入れてみたら、エネルギーのやりとりが想像していたものとちょっと違ったんですよね。振りが決まっていても、自分で音をカウントしちゃいけなくて、リードする人に合わせなきゃいけない。
それも人によって遅かったり早かったりするんです。
私はずっとバレエをやっていて音はカウントするものだと思っているので、やめてから何年もたっているのに、なかなかそこから抜け出せなくて苦労しました。
レッスンに通い始めた頃は舞台関係者の方にアルゼンチンタンゴのショーをいつかやってみたい、というふうに話したこともあったし、ブエノスアイレスに行く前もショーで一緒に踊れる人を探したいという気持ちもありました。
そのときにはウキウキしていたのですが、ハマればハマるほどタンゴの難しさや現実を知って、まだまだだなと思うようになった、というのが正直なところです。
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スタイリング/野村昌司
ヘア&メイク/佐藤郁江
取材・文/細谷美香
構成/片岡千晶(編集部)
撮影協力/sequence MIYASHITA PARK
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