学園規則も揉めごとも
「討論」と「法廷」で解決する


教育プログラムの中でもっともユニークなのは、種子学園には子どもたちが参加する「生活討論会」と「法廷」という、2つの法制組織があるということです。

 

「生活討論会」は、実務的な討論と決定を行なっていく議会のような仕組みを持ちます。議題になるのは、学園の規則をはじめ、「学校の木の枝は切り落として、チャンバラに使っていいのか?」という疑問や、「けんかの問題」まで実にさまざま。大人と子どもの区別なく誰もが議案を提案することができ、等しい価値を持つ1票を投じることができます。

「法廷」は、規律の維持を担う役割を持っており、毎日昼に「裁判」が開かれます。その中身は、現実の大人社会と大差ないと思われるような本格的なもの。同学園が行う「裁判」はざっと次のような流れとなります。

・裁判官は生活討論会で選任され、3人の輪番制裁判官による合議審が開廷される
・裁判を開く前に裁判官によって案件を討論。裁判でどのように処理するべきかを決定してから開廷となる
・法廷では裁判官がまず案件の調査結果を発表。当事者双方の弁論へと進み、次に証人尋問、最後に判決を言い渡す。

裁判は学園の誰しもが訴えを起こすことができます。
ちなみに訴状には、「原告は誰か」「被告は誰か」「いつ、何が起こったのか」「どういった証拠あるいは証人が存在するか」などを書き記すのだそう。裁判で弁論に自信がない場合は弁が立つ友だちにお願いするなど、代理人を立てることもできるそうです。