怒りを「重要性」と「変えられるか」で分析して、
マトリックスに分類する


N 最後のアプローチは、怒りの状況を2つの軸(4つのマトリックス)に分けて、その怒りの原因となった状況を自分の力で「変えられるか、変えられないか」、それは「重要か、重要でないか」という視点で分類し、行動をコントロールしていくというアンガーマネジメント法です。

怒りの体質改善<2>
「行動」のトレーニング

怒りの状況を分類してみよう!

①「変えられる×重要」
②「変えられる×重要でない」
③「変えられない×重要でない」
④「変えられない×重要」

① 変えられる×重要・・・たとえば、「後輩がいつも同じミスをする」、「上司がいつまでも自分の企画を通さない」というような状況。これは、仕事にかかわる重要な内容で、かつ相手の根本的な部分は変えられないが、自分の伝え方やアプローチは変えることができるという状況。

② 変えられる×重要でない・・・「部屋が散らかっている」今、さほど重要ではないことは余裕のある時に対応しようという先延ばしをする。

③ 変えられない×重要ではない・・・「地球環境に無頓着な人に怒り」「電車でのマナー違反者」など、自分にはその人を変えられないし、関わる必要もない。

④ 変えられない×重要・・・「渋滞にはまってしまった」など。世の中には変えられないことや自分の力ではどうにもならないこともあることを受け入れて、現実的な行動をする。

編集部 これは本気で取り組まないとハードルが高そうですね。

N おっしゃる通りです。やり方は下記の通りです。

③「変えられない×重要」④「変えられない×重要ではない」に入ったものは怒ってもムダと考え、現実を受け入れる努力をする。

 

①「変えられる×重要」②「変えられる×重要ではない」に入ったものは、「何を」「いつまで」「どの程度」やる必要があるか具体的な対策を考える方法をオススメされました。

最終的にどうすべきか、まで考える習慣を身につけると、感情だけで怒る前に、コントロールされた行動を取れるようになっていくそうです。


これは正直、とても難しいし、これができれば苦労しない、と思いました。案の定、講師も「当然、このように自身を変えるのはそんなに簡単ではなく、アンガーマネジメントは、気長にやるものです」と締めくくられました。

編集部 習慣として無意識にできるようになるまで、無理をせずに取り組む。気がついた頃に体質が変わっている、というのが理想ですね。


N 最後に私は「中級編のセミナーでは、なにをやるのですか?」と聞いたところ、「今日のアンガーマネジメントをやってみて途中で挫折したり、効果が薄い場合は、さらに具体的なアンガーマネジメントの方法を教えるので、受けてみてください」とのこと。


編集部 とりあえずは、実践ですね!

次回は、講習を受けて、実際にアンガーマネジメントを実践しているNさんの日々をレポートします!

構成・文/藤本容子

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