4日に行われた東京都議会議員選で、女性候補者が過去最多の41人当選しました。都議会全体で占める女性の割合は、その値を上回れば女性が本来の力を発揮できるようになる「クリティカル・マス」とされる3割を超えました。
前回記事でも『女性のいない民主主義』(前田健太郎著、2019年)に触れながら、ある属性の意見が政策に反映されていくうえではその比率が重要であると書きました。そして一定の割合を占めれば、その中に多様性が出てくることも非常に大事だと思います。
一般的にマイノリティは、1人とか2人しかいないと、発言がその属性を代表する発言とみなされやすくなります。『企業のなかの男と女』(R・M・カンター著、邦訳1995年)は組織内の研究をもとに、こうした状況では、少数派が「トークン(象徴)」として扱われるゆえに、目立って孤立しやすく、またトークン自身が既成のステレオタイプに合わせた行動をしがちだということを明らかにしています。
でも、実際は男性の中に異なる主義主張があるように、女性の中にも様々な意見や立場がある。割合が増えていくとその個性を出しやすくなるという面がある、というわけです。
ブレイディみかこさんの『女たちのポリティクス』(2021年)は、まさに世界の多様な女性政治家を取り上げ、日本から見れば進んでいる国や評価されているように見えるリーダーにも当然ながら批判があること、様々な経歴で様々なタイプの女性リーダーがいることを教えてくれます。
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