右手に電卓、左手に希望


「夫婦2人で共働きなら子供の進学先はインターでしたが、離婚して一馬力になる可能性も考えて私立を目指しました」

そうおっしゃるAさんは、教育熱心な方が多い地域にお住まいです。

お子さんは1人、夫もご自身もかなりの年収があり、仮に離婚したとしても生活に困ったりお子さんの進学を諦めたりする必要はない。
ただ夫がいないとなると教育に関しては予算を削らないといけないな、などと「頭の片隅で常にソロバン弾いていた」と言います。

「夫に対してものすごいストレスがあって。
離婚したら幸せになれるかもしれない、でもそのためには、何があっても子供を一人で大学まで行かせられるような離婚プランを考えなきゃ、と思っていました」

責任感の強いAさんは、離活貯蓄にも励みます。
というのも、お子さんが生まれてから夫婦間で意見の食い違いやケンカが多発。年月とともにストレスも積み重なる一方で、幸せを感じられない日々だったそう。
自身も働いていてそれなりの収入もあったため、いっそ夫がいない方がもっと人生が楽になるのにな……と思うことが何度もあったんだとか。

「自分の収入だけで住めるマンションの間取りを見てはワクワクしたり、子供の進学先もあえて予算を落としたり。
ケンカをしては、『離婚なんていつでもできる!』という気になるものの、子供の寝顔を見て耐える毎日でした」

いつか離婚してスッキリする! と妄想して、細かいファイナンシャルプランを立てることでストレスを解消していたのです。

ですが、そんなAさんの考え方がふっと変わる転機が訪れたのです。