東京オリンピックの開催が迫る2021年7月にコロナ罹患した、4歳の男女の双子と10カ月の乳飲み児3人の母で育休中の餡蜜桃子さんは、次男を「付き添い人」として入院します。発熱しても「ずり這いマスター」の次男から目が離せず、「おっぱい口封じ戦法」を駆使し、どうにか療養します。そんな中、自宅待機中の夫と双子の陰性報告のLINEが届き、これでひと安心と胸をなで下ろしたのですが……。餡蜜さんの1カ月にわたるコロナとの奮闘の記録を8日連続でお届けします。

※本記事は2021年7月時点のケースです。行政の指針や対応が現在と異なる部分があります

餡蜜桃子さんのInstagramより。素敵写真と3児の育児についての生活感溢れるコメントとのギャップが魅力

 


「プロ赤ちゃん」だった次男の後追いが始まってしまう


翌朝、体がバキバキで寝返りが打てずに目を覚ましました。隣には次男がデーンっと幅を利かせていて物理的にも寝返りが打てません。発熱のため少しでもゆっくり眠りたかったのですが、次男を寝かしつけてそっと高柵ベッドに置くと「マーマーマー!!!!」と猛抗議に遭い、勘弁してくださいよ~……と薄ら涙を浮かべながら自分の狭いベッドで添い寝をし続けた長い長い夜でした。

入院生活3日目。部屋からは出られないし、終始次男のSPとして彼の安全をベッドの上で見張り続けているため必然的に体がガチガチになっていました。ギックリ腰に気をつけないとな、とそっと起き上がり体を捻ると次男も元気満々にお目覚めになったのでした。

今日のTO DOは朝一で保育園に双子が陰性であったことの報告を入れること、そしてこの個室で初となる次男の入浴、以上! 長い1日になりそうです。Netflixで『全裸監督2』でも一気見しちゃおうかな、なんて少し脳裏に浮かんだけれど、置いてきた家族のことや一生懸命職務にあたっていらっしゃる医療従事者や保健所の方々のことを思うと娯楽に手を出すような気分にもなれませんでした(余談ですが『全裸監督2』は繁栄を描いたシーズン1とは異なり失速、衰退といった内容らしいのでこのコンディションで観るには相応しくなかったようです)。

まずは保育園に電話し、例のママ友グループLINEでも双子の陰性を報告。皆さん本当に喜んでくださり有難い限りでした。そして看護師さんが食事を運んできてくださり、熱の様子や各種数値についての確認が行われます。次男も私以外の人、しかも若くて可愛い看護師さんのお顔が見られて興奮気味。オレの血中酸素濃度測ってくれよな? と雄感丸出しで近付き、いいこいいこされたりして満足気であります。でもあっという間に出ていってしまうのでその後はしょんぼり。君にまで隔離生活を強いてしまいごめんよ。

次男は3人目ということもあり非常に空気が読めるヤツで「神赤ちゃん!」「プロ赤ちゃん!」ともてはやされ、ひとりでご機嫌に遊ぶのが得意な赤子だったのですが、どうやらこの入院を契機に後追いが始まってしまった模様。

終始肌をくっつけていないと泣き喚き、トイレに行くのもやっとな状況に陥りました。僅かながら持参したお気に入りのおもちゃにも目を向けず……。きっと彼も不安だったのでしょう。というわけで長い時間、次男のご機嫌を保ちつつ自分も少し休むためには秘技おっぱい口封じ戦法しかなく、せっかく離乳も進んでいたのに10カ月にしてほぼ一日中おっぱいを飲んでいるような過ごし方に舞い戻ってしまいました。これがのちに大変なことになるとはつゆ知らず……。