ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載です。46歳で結婚を決めた直美さん。その背景には、仕事で経験したある辛い状況が影響していたといいます。
40代まで結婚願望がなく恋多き女だった直美さんが、46歳で同い年のイケメンと結婚。直美さんの方が稼いでいて収入格差のある夫婦ですが、ハンサムな夫の顔を見ているだけで癒されるし、夫の存在がモチベーションとなり、ますます仕事をがんばれるようになったという彼女は、とっても幸せそう。
元々男性に全く依存しないタイプだった直美さんは、結婚した今でも、基本的にはひとりで行動したい派。対する夫の英二さんは「何でも一緒」がいいそうで、夫の要望があればそれに合わせる、というスタイル。
英二さんと同じく、好きな人とは常に一緒に居たい派の私からすると、夫婦別行動だとどんなときに愛情確認するのか疑問に思ったのですが、直美さんは英二さんが「映画に行きたいんですけど」、「買い物行きたいんですけど」、「コーヒー飲みたいんですけど」と何かおねだりするたびに、「私と一緒に居たいんだな、可愛いな」とほくそ笑んでいるそうです。一般的なカップルだと男女逆な気がするので、やはり直美さんは恋愛ではどこまでも男性的な考えを持っているのかも。
さかい:結婚して不満とかはないんですか?
直美さん:自分で選択したことですからねえ。もしイラっとすることがあっても、「もう嫌!」って言ったら負けだと思ってるんです。嫌なら愚痴など言わずにやめればいいだけですし。
こういう考え方も、精神的に自立しているからこそ言えること、ですよね。
私は、以前壇蜜さんが結婚について聞かれたインタビューで「ひとりで生きられないから結婚するのではなく、自分ひとり生きられる自信がついたから誰かと一緒にいられるようになった」と答えていたのが印象的だったのです。
20代で結婚してバツイチになった私には、アラフィフの今だから、その言葉がとても共感できる。たぶん、相手に期待したり依存していると、他人と暮らす結婚生活はしんどくなるのではないのでしょうか。それは、その期待を裏切られたときに勝手に減点方式で相手をジャッジしてしまうから。
人って恋人や夫婦という関係性を定義する言葉で相手を縛ろうとするところがあって。夫婦だからわかってくれるだろう、これくらいはやってくれるだろう、と、知らず知らずに相手に甘え、求めすぎてしまうもの。だけど本来は夫婦は赤の他人同士。「やってくれて当然」ではなくて、「やってくれたら感謝」なんですよね。
そういうことに初めから気付けているのも、「晩婚」ならではの良さ。
直美さん:今思えば、私が結婚できたのは、やはり、41歳のときに左遷されてその部署で「我を抑える」訓練をしたから。それまで個人プレイで動いていた私が、他人に貢献し、自分のやりたいことをひとつもできないという状況に置かれたとき、それに抗わずに受け入れたんですよね。その経験が大きかったと思います。
結婚とは融合。相手は感情のある生き物だから、思い通りには行かないことばかり。それを許容する包容力が直美さんの身についたから、英二さんを引き寄せたのかもしれません。
直美さん:そうなんですよね。結局、結婚したいと焦っても仕方なくて。自分に最適なタイミングで最適なパートナーが現れるものだから、焦る必要ないんです。そんなことより、自分の人間的レベルを上げておくことが重要。人は自分と同じような人としか惹き合わないので。「相手に幸せにしてもらおう」ではなくて、自分主体で、相手を幸せにできるように自分自身を磨く。それが、結婚への近道だと思います。
構成/川端里恵(編集部)
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