林遣都さん、コロナ禍に巡ってきた「舞台に立つ自分に誇りを持てた瞬間」_img5

 

観客の声がそのまま届く今の時代はありがたい

ーー役への向き合い方で、大切にしていることはありますか。

 

根本にあるものはずっと変わらなくて、結局は気持ちが大事だと思っています。それは舞台に限らず映画やドラマでも、どの作品でも自分の中で共通しています。

ただ、舞台は自分の一瞬の行動がすぐに影響していきます。映画やドラマでは映像で説明されるところを、舞台では想像力も駆使して表現していく。それによって見え方がまるで変わってくるのが難しいところであり、舞台の一番の魅力だと思います。実際には見えない部分をたくさん想像して、「今のこの演出、音や光で何を表現したいのだろう」とそれぞれが楽しめるところ。観る人それぞれがそれぞれの感性で楽しむというのが、いいですね。

ーー観客の反応によっても、その場で変わったりすることはあるんでしょうか。

それは役者さんそれぞれで、変える人もいると思います。僕は、最近、観客の皆さんが送ってくださった観劇後の感想やSNSを読むことがあります。良いことは素直に嬉しいですが、それに甘えてしまわないように、厳しいことが書いてある時こそ、その意見を参考にするように心がけています。SNSはそういう声をストレートに届けてくれるので、ありがたい時代だなと思います。

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ーー感想などもかなり細かく拾って読まれてるんですか?

お客さんの反応から発見することはいっぱいあります。「あの場面でああしたのって、こういうことを表現したかったのかな」という感想を読んで、意図してなかったけどたしかにそういう考えもアリなのかも、と思ったり。よく言われることですけど、“舞台は正解がないのが楽しい”というのは本当にそうだなと感じます。