親の介護──この言葉を聞いて身震いした人も多いのではないでしょうか。仕事や子育てに追われて自分の時間すらろくに作れないのに、年老いた親の世話まで抱え込んだらどうなってしまうのか。経済面でも住宅ローンや子どもの学費を捻出するのが精いっぱいで、介護費用までは払えない……考えれば考えるほど気が重くなりますが、それは介護の実態を知らないせいでネガティブな面だけが肥大しているのかもしれません。

このように「親の介護」に対する不安に苛まれている人、特に介護未経験者にぜひ読んでいただきたいのが、『図解とイラストでよくわかる 離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本』というムックです。本書では、最初に取るべき行動から介護サービスの種類、さらには介護者のライフスタイルへのアドバイスまで、至れり尽くせりの内容がイラストや図解でわかりやすく紹介されています。

親御さんと離れて暮らす人のなかには、ある日突然親が倒れて生活が一変するかもしれないと気が気でない日々を送っている人もいると思いますが、正確な情報があれば恐れるに足りません。さっそくその一部を見ていきましょう。

親の介護が必要になるのはこんなとき。3つのパターンを把握


いったいどんなときに介護が必要になるのか? 介護の始まりは主に3つのパターンに分かれます。

まず1つ目は、脳血管疾患などで倒れて入院して直面する「突然タイプ」。この場合は、入院している間に医師と相談し、この先回復していくのか? それともマヒが残って介護が必要になるのかを判断することになります。2つ目は「きっかけタイプ」。たとえば、母が突然亡くなって、葬儀の間は気丈にふるまっていた父が、しばらくして訪ねてみたら、様子がおかしくなっているなど。精神的なダメージから、気力がなくなり身の回りのこともできなくなってしまい、介護が必要になることがあります。3つ目は「徐々にタイプ」。このタイプは、加齢による身体の衰えから少しずつ要介護の状態へ向かっていくものなので、離れて暮らしていると気づくのが遅れてしまう可能性が高くなります。

可能であれば、1日1回、2~3分程度でも空いている時間を見つけて電話をするなどのコミュニケーションをとることも変化を見逃さない有効な方法と言えます。

 

高齢者の大敵!「フレイル」に注意

フレイルとは、高齢者の筋力や活動が低下している状態のことで、要介護の前段階と言われています。下の項目に1~2個当てはまると予備軍となり、3項目以上ならフレイルに該当します。早めに気づいて、食生活や身体活動など日常生活を改善することで悪化を防ぐことができます。

 

①過去1年間に4.5㎏以上の体重減少
②常に疲れやすく感じる
③歩くスピードが遅くなる
④加齢により筋力が低下する
⑤身体活動量の低下

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現役介護福祉士が見た「介護の始まり」
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