先日の伊豆旅の続きです。

伊豆の高原はまもなくコスモスが満開になるでしょう(石舟庵製)

雨の城ヶ崎をあとにして、東京へ戻る途中熱海に立ち寄りました。

この門を目にしただけで心が高鳴りました。
門をくぐり建物の方に歩き、ふと振り返ったところの写真です。「薬医門」と呼ばれるお武家やお公家のお屋敷に見られた格式高い作りの門です。雨にぬれてより一層風情が増した感じです。

訪ねたのは起雲閣、大正時代に建てられた名建築の別荘〜旅館です。現在は熱海市の所有になり一般公開されています。
城ヶ崎での素敵なステンドグラスを胸に、今度は熱海の建物で実際に用いられているステンドグラスを拝見です。こちらには二階建て、母屋と離れがあります。今回は一階のメインフロアを中心に。

「麒麟」の壁は息をのむほど鮮やかな群青色です。個人宅から旅館に変わった際にこのように塗りなおされたのだそうです。

大正8年(1919年)に財界人の別宅(別荘)として建てられ、その後旅館「起雲閣」として数々の文壇の名士に愛されました。100年にわたりよき時代を築いてきた歴史的な建物です。

お庭に張り出した明るい「玉姫」のサンルームです。床のタイルと天井と窓のステンドグラスがとても美しく♡ドラマにも度々登場!なのだそうです。
サンルームから続く「玉姫」の室内です。日本・中国・ヨーロッパ…それぞれの美を織り重ねたようです。 
「金剛」は格式高い迎賓の間です。暖炉好きな私としてはたまらないクラシックさ♡
驚いたのがこのローマ風のお風呂です。窓などのデザイン(インテリアと言ってよいスタイル!)もですが、バスルーム自体の造りがとても凝っていて、冷えないように床には木製タイルが使われていたり、温泉が浴槽の床から吹き出す仕組みになっていたり当時ではとても贅沢だったことが伺えます。

完全な和の建築に洋の味わいが不思議な具合にプラスされ、かの時代の贅沢さをひしひしと感じました。

小さなお部屋のドアが素敵すぎて♡きっと別荘時代のお女中さんのお部屋だったのではないでしょうか。ドアの木材とノブのバランスが好みです♡

侘び寂び好みの私にはまぶしいところもあり…でもそれが栄華だったのでしょうね。

建てられた当時はお庭の先に熱海の海が見え、漁師さんたちの掛け声も聞こえたとか。のちに譲り受けた根津嘉一郎翁が庭園に造詣が深かったため、こちらのお庭も見事な仕上がりになっています。

修復を繰り返しながら現代までこうして保っていただいていて、こうして気軽に訪れることができ建物Loverとしては熱海市とその住民の皆さんに感謝の一言です♡

パンパン!(手を叩く音)「将軍!」

歴史ある建築物を拝見した後は、自宅にも取り入れたいところの工夫を考えてしまう私。
よく暮らす=よく生きる、なのですものね。


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