●高齢者分譲マンション
「次にシニア向けの『高齢者分譲マンション』があるわね。バリアフリーになっていて、シニア用で売られているの。家事は施設スタッフにやってもらえるし、高齢者向け設備も充実しているし、分譲マンションだから、売却も賃貸も相続もOKなんだけど、要介護状態の人への対応はやっていないところが多いよ」
なお、有料老人ホーム、シニア向けの高齢者分譲マンションは、いずれも金銭面で安くなく、富裕層向けとされるものが多いそう。
●軽費老人ホーム
「数は多くないんだけど、低額で入所できる『軽費老人ホーム』ってのもあるよ。身寄りがない低所得の人向けで、A型・B型・C型(ケアハウス)に分かれてる※けど、介護付きってところじゃなかったら、やっぱりここも介護の手が必要になったら退去させられちゃう」
※2021年7月現在では、軽費老人ホームはA型・B型の数は少なく、C型(ケアハウス)が一般型と介護型に分かれている。
●高齢者向け賃貸住宅など
「他にもUR都市機構がやっている『高齢者向け賃貸住宅』とか、若い人のシェアハウスみたいな『グループリビング』っていうのもある」
このように、まだまだ元気で健康だけれど、ひとり暮らしに不安を抱えていたり、食事の支度がめんどう、同じような趣味嗜好の人たちとワイワイ楽しくやりたい、そうしたお年寄りのための施設が『自立型』のイメージのようです。
一方、りんこさんのお母様のように、「介護が必要なお年寄りのための施設」は特養の他にどのようなものがあるのでしょうか?
●介護保険施設
「『特養』がなんで人気かって言えば、今時の特養って設備が良くて、費用も安いからなんだけど、それは介護保険施設だからなの。40歳以上の全国民から徴収している介護保険っていう税金で運営されているから安い。でも、そんな介護保険施設は3種類しかないのよ。
1つめはご存知、『特別養護老人ホーム』、略称『特養』ね。2つめが『介護老人保険施設』っていう名の、いわゆる『老健』ってところ。そして3つめが『介護療養型医療施設』、別称『療養病床』ってところで、この3種類だけなの」
『介護老人保険施設』は、要介護高齢者にリハビリ等を提供し、在宅復帰を目指す施設。そのため、原則は入所期間は3ヶ月という縛りがあるそうです。『介護療養型医療施設』はつまり病室のことで、心臓発作や脳梗塞などの急性期の治療は終えたものの、まだまだ治療が必要な人のための長期療養施設。ただし、『介護療養型医療施設』は2023年度末に廃止予定で、より生活施設としての機能を重視する『介護医療院』が2018年に創設されています。
その他、介護保険施設ではないものの、「介護の手が必要な人」向けの施設としては、認知症のお年寄りが対象となる『認知症高齢者グループホーム』、そして生活支援サービスが付く高齢者専用の賃貸『サービス付き高齢者向け住宅』などがあるといいます。
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