こんばんは。編集・川端です。「真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室」第80夜をお届けします。

今夜のお便りご紹介します。ペンネーム・夢のなかのひつじさんからいただきました。

「私は最近、勤め先にいる“ちょっと苦手な人”が“嫌いな人”になってしまいました。ある日突然、まるでコップから水が溢れるように、我慢できなくなって“嫌い”という気持ちがこぼれ落ちていくようでした。ちょっとしたことにイラッとしては冷たく対応してしまい罪悪感が募ります。業務上関わることが多く、距離を置くこともできません。優しくしたいのに自分は何て器が小さいんだろう……と落ち込むばかり。このもやもやとした気持ちに折り合いをつける本を教えてください」

ああ、なんて切実な状況でしょう。
そんな夢のなかのひつじさんにご紹介するのは、伊藤朱里『きみはだれかのどうでもいい人』です。
胃がキュッとなるようなタイトルに、なんて非情な……とどうか思わないでください。

まさに職場の同僚にイラッとさせる人がいて、冷たく対応してしまう人の話なんです。
非常にストレスフルでギスギスした、しかしありがちな職場の様子が生々しく描かれていて、とてもしんどい本なのですが……。なぜか読み終わったら、ふと「頑張ろう」いや「私頑張ってる」と思える救いのある本に感じました。

文庫版の「あとがき」を島本理生さんが執筆されています。この「あとがき」が秀逸なのです。逃れられない職場や身近な世界の人間関係に悩むすべての方に、ぜひ読んでいただきたいです!

 


<今夜の勝手に貸出カード>

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名前も呼べない』伊藤朱里


【第80夜】「どうでもいい」と言ってしまえたら楽になるのかな


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撮影/塚田亮平

 


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