会社にしがみつく40代の危険水域


私はまもなく60歳を迎えます。23歳で企業に新卒入社し、17年間会社員をやりました。そして41歳で独立、18年が経ちました。私自身、会社員と個人事業を半々やってみて、さらには同い年の会社員たちの定年間際の姿をさまざま観察してわかることは、雇われることが目的化した会社人意識にどっぷり浸かると、健やかに働き続けるキャリアから遠ざかるということです。

もちろん会社に雇われ続ける生き方を否定するわけではありません。むしろ安定的に雇用される中で、自分のやりたいことに近い仕事をできるならそれは好ましい状況です。しかし、まるごとの自分を使って没頭したいと思える仕事に出合える会社員というのは少数ですし、その好きな仕事がずっと続くわけでもありません。おおかたは自分の手(スキル)とアタマ(専門知識)を切り売りしながら、経営側の意思に振り回されながら雇われ続ける生き方になります。こんな会社やめたいと思っても、40代以降ともなると「いまさらどこの会社も雇ってくれない」という現実がのしかかり、会社にしがみつくしかありません。そのストレスは相当なものです。メンタルを病むことにつながる場合もあります。

厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが「この会社に雇われるしか選択肢がない」という状況になった時点で、かなりキャリアの危険水域にあります。

「成功する」から「健やかに働き続ける」へ。キャリア新時代に40代がすべき3つのこと_img2
 

40代前半というのは、65歳定年までのキャリアマラソンでいえば、やっと折り返し地点にきたところ。後半の半分を会社人としての悪い皮を厚くさせるのではなく、一職業人としての独立意識を育むことがマインド醸成上の肝だと考えます。