断捨離をしていくと、「今の私を基準にすること」によって自分を大切にできるようになり、それと同時に相手をも大切にできるようになります。その第一歩は、価値観の違いを踏まえること。「私には分からないけど、あなたはそれが好きなのね」と認めていく。自分が理解できないモノに対して攻撃を仕掛けるのは得策ではありません。

 

家族が限りある住空間と、そこに流れる時間を共有するにあたって、一番厄介なのは「家族だから」「夫婦だから」という何の根拠もない「だから」です。友情を築くためにお互いが努力するように、仕事を円滑に進めるためにお互いが協力し合うように、家族にもお互いが信頼し合っていく関係を作る努力が必要なのです。それなのに、「家族だから」という甘えに加えて、コントロールや支配まで発生してしまっているのが現状。これでは揉めない訳がありません。

夫婦というのは、10年以上一緒にいるとだんだん価値観がずれてくるものなのです。その差はよほどのことがない限り埋められません。それならば、相手の価値観を否定するより尊重していく姿勢を取った方が、より賢明でより平和的に物事が推移していくのは明らかです。まずは「家族だから」という幻想を断ち切ることから始めてみてはいかがでしょうか。

 


【お悩み②】義母と同居しながら断捨離するには?


<ご相談>
夫の母と同居しているのですが、考え方も趣味もまったく違うのが悩みです。断捨離してせっかく快適な空間ができても、相談もなくモノを置かれるなどして、やる気をそがれます。処分したい食器もたくさんあるのですが、どれも義母のお気に入りで勝手に処分できません。どうすればこの状況で断捨離を進められるでしょうか。

<やましたひでこさんの回答>
価値観の違う義母さんとの同居がどんなに息が詰まるものか、私にもその経験があるのでお気持ちは痛いほど分かります。姑VS嫁は永遠のテーマですが、今回のお悩みはモノを溜め込む「タメコミアン」の義母さんと、断捨離に励む「ダンシャリアン」のあなたとの戦い。しかし住空間には限りがあると同時に、時間も流れています。よって、今回の課題は「生活空間での縄張り争い」と、「生活時間での主権争い」であると言えるでしょう。

だから、「相談もなくモノを置かれる」「処分したい食器を溜め込む」といった、あなたをイラつかせる出来事は、ほんの表面上の問題でしかありません。そんな行動を数え上げていてもキリがなく、あなたの消耗も際限なく続いていくことになります。