こんばんは。編集・川端です。「真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室」第85夜をお届けします。

今夜は高校生のぽろろさんからいただいたお便りをご紹介します。

「私は高校生で、学校生活がとても辛いです。色々な事が混ざり合って辛くなったのですが、特に人間関係に苦悩しています。私は、仲良くしたいと思った人とだけ仲良くして、それ以外の人には必要最低限に仲良くするぐらいでいいと思っています。しかし学校で、そういう振る舞いをしたら、私はクラス内でひとりぼっちになってしまいました。自分を偽るよりはひとりでいるほうが私はいいと思います。でも時々恥ずかしいような寂しいような気持ちになるのです。どうか、ひとりぼっちでも大丈夫になれる言葉が欲しいです。よろしくお願いします」

私も女子グループで群れるのがあまり上手じゃないタイプで、くっついては離れたりして……結局、無理をしてついていくより、ひとり本を読んで過ごしていたほうが心地いいと独自の道を選んだことがあります。その頃から達観してひとりで十分幸せだったかといえばそうでもなく、ぽろろさんのお便りを読んで胸がぎゅっとなりました。でも私は今、女性誌の中でこんなポッドキャストをやっています。あの頃からあまり変わってないなあ……。

今日、ぽろろさんにご紹介する勝手に貸出カードは、廣田周作さんの『世界のマーケターは、いま何を考えているのか?』にしました。

世界中の100以上の最新事例から新しいブランド戦略を考えようという本です。
ここにはこんなことが書かれていました。

「日本も含めて、孤独はパンデミックと同様に大きな社会問題になってきているのです」

「SNSで誰かと誰かのつながりが見えれば見えるほど、『自分はつながっていない』ことも同時に可視化されてしまう」

パンデミックで弱いつながりの人とは交流しにくくなったため、世界中の人が孤独を感じやすくなった、メンタルヘルスが世界的関心事である、といったことが書かれています。

一方で、会わなくてもSNSでつながれるからこそ、誰かの誰かへのリアクションまでが可視化されて孤独を感じやすくなっているのかもしれませんね。私が高校生だった頃よりきっとずっと見えなくていいものが見えてしまう。

孤立感や居心地の悪さ、寂しさを感じてしまうのは、個々人の性格のせいじゃなくて、世界的な潮流、マーケティングのせいなんじゃないかというお話です。
 

 


<今夜の勝手に貸出カード>


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撮影/塚田亮平

 


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