ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考えます。今回は、10年以上事実婚状態を続けたのち、アラフォーで結婚を決めたえりなさんにお話を伺いました。
27歳で付き合い出した大輔さんと、お互いの部屋の契約更新のタイミングで一緒に住み始めたえりなさん。だけど結婚願望のないえりなさんは、「一緒に住んだら広いところに住める!」くらいの気持ちだったとか。
えりなさん:まだ若かったし、結婚は全く考えていなかったですね。まだ他にも居るかもしれないし、なんて思ってました。
実は同棲を始める前に、大輔さんから「結婚しよう」と言われたことがあったのです。でもそのときえりなさんは、「え〜自分の苗字が気に入ってるから帰るの嫌だ〜」と答えて、大輔さんはそのえりなさんの気持ちをずっと尊重してくれて、その後ほぼ10年間も、事実婚状態を貫いてくれていました。
そんなえりなさんが入籍に踏み切ったのは、39歳のとき、それまで賃貸マンションで同棲していたふたりが、家を購入することを決めたのがきっかけ。銀行に住宅ローンの相談に行った際、フリーランスのカメラマンである大輔さんとマスコミ勤務のえりなさんが入籍することが融資の条件だったのです。
えりなさん:まさかの理由でしょう(笑)。ずっとめんどくさいことが嫌だからと結婚することに抵抗し続けていたのに、外野の一撃によってあっさり入籍が決まりました。
さかい:入籍しないで一緒に家を買うって、名義はどうするおつもりだったんですか? もしも別れたりしたら処分が大変そう……。
と、離婚するときに所有していたマンションをどうするかで悩んだことのある私は思わず質問。
えりなさん:共同名義で買おうとしてたけど、別れたときのことは特に考えてなかったですね〜。うちの夫婦は丼ぶり勘定で、今も月々のローンとか食費とか、ある方が払っておけばいいか、という感じなので。
何とも大らかなえりなさんご夫妻。それで上手く行っているのは、きっとお互いの信頼関係がそれだけしっかりしているということなのだろうな〜。
さて、今までも面倒な手続きが嫌で結婚しなかったえりなさんは、当然、結婚式にも興味はナシ。入籍だけで済ませるつもりでいました。けれど大輔さんの両親に挨拶に行ったところ、古風な考えを持つ彼らは「何もやらないわけには行かない」と、結納の品々を送りつけて来て、結局、両家で集まって結納だけはやる羽目に。
さかい:ずっと事実婚だったえりなさんがご結婚されて、ご両親は何かおっしゃってましたか?
えりなさん:うちの両親には、一緒に住むときに安心させるために会わせていたんです。それ以降、人懐っこい大輔さんは毎年正月にはうちの実家に当然のように私と一緒に来て、自分の実家かのようにゴロゴロ寛いでいました(笑)。うちの親とは私が電話するたびに彼も話したりしていたし、もうすでに家族の一員という感じだったので、特に変化もなかったです。
気になるのは、長年の同棲からの結婚で、おふたりの関係にどんな変化が起きたのかということ。アラフォー以降ではえりなさんと大輔さんのように最初から子供を持たない選択をしているカップルも結構多いですよね。現在アラフィフの私ですが、事実婚のパートナーと法的な夫婦の違い、つまり入籍のメリット・デメリットって、ものすごく知りたい!
実際結婚してみたえりなさんの感想は、次回に続きます。
構成/川端里恵(編集部)
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