これまでは好むと好まざるとにかかわらず、会社の上司や同僚と付き合わざるを得なかったわけですが、コロナ後は家族や友人、あるいは一人で過ごす時間が増えたと思います。プライベートな時間がいかに大事なのか痛感した人も多いでしょう。

 

付き合う相手が会社の上司や同僚の場合、ほとんど選択肢がないわけですが、友人と過ごす場合には、誰と付き合うのか決めるのは自分自身です。さらに言えば、1人の時間を楽しむ、家族だけで楽しむという選択肢もありますから、そもそも付き合わないという選択肢も出てくるわけです。

 

 
コロナ危機だけが変化の原因であれば、終息後は人間関係も100%元に戻りますが、時代の変化がそうさせない可能性が高まっています。業務のIT化や働き方改革の進展によって、仕事の進め方は徐々に集団ベースから個人ベースへとシフトしており、コロナ危機がそれを後押ししたからです。

前回のコラムでは、コロナ後にはビジネスでの出張が減るという話を書きましたが、同じように会社での人間関係も以前と比べるとドライになっていきそうです。会社の仕事が忙しく、人付き合いも会社に束縛されている場合、嫌な事もたくさんある一方で、ライフスタイルについて深く考える必要もありませんでした。とりあえず所属する集団がありますから、それがある種の安心感につながっていた面があると思います。

しかし、社会のあり方が仕事中心からプライベート中心に変化すれば、自分のライフスタイルについて再考せざるを得なくなります。そうなってくると、どこに住むのか、あるいはどのような家に住むのかという「住」に関する価値観も変わってくることでしょう。
 
一部の人は、こうした変化に戸惑うかもしれませんが、筆者はこうした一連の動きは歓迎すべきものだと考えています。

お仕着せの交友関係や時間の過ごし方から脱却し、それぞれが自身の好きなことに没頭すれば、自分にとって多くの再発見があるはずです。プライベートな楽しみが増えれば、関連するビジネスも拡大し、最終的には国内消費にもよい影響を与えるでしょう。

コロナの終息がおぼろげながら見えてきた今年の新年は、自分の仕事や交友関係を見つめ直すよいチャンスです。筆者もより大きな視点で、今後の人生設計について考えてみようと思っています。
 


前回記事「大手航空会社が「LCC強化」に舵を切ったワケ...コロナで変わる旅のカタチ」はこちら>>

 
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