年齢を重ねると、「体力が低下したなぁ」とつくづく感じますよね。10代・20代はそこそこにスポーツをしていたけど、30代半ばを過ぎると筋肉量も減り、ちょっとしたことで躓いたり、転んだり……。
コロナ前は仕事で外に出ることも多く、日に1万歩なんて当たり前でした。ですが今はほとんどがオンライン。家から1歩も出ないのに食べる量は変わらず……。そりゃ、太るし、体もなまりますよね。

 

コロナ生活で尿もれに悩む人が続出?


先日、クリニックで婦人科検診を受けてきました。担当してくれたのは、METビューティークリニックの福山千代子先生。検診後は決まって先生と雑談になるのですが、大変興味深い話を教えてくれたのです。「コロナ生活で尿もれに悩む女性が増えているのよ」と。

表参道の骨董通り沿いにある「MET BEAUTY CLINIC(メット ビューティー クリニック)」。今年の秋に婦人科クリニックを開設し、福山千代子先生が担当。女性のライフステージに寄り添い、さまざなな年代の悩みに対して、女性ならではの視点と最新の医療を用いて1人1人オーダーメイドで治療法を提案している。

「尿もれ=加齢」の症状だと思いがちですが、調査によると40代になると3人に1人が尿もれの経験があり、悩んでいるとか。中には20代や30代の若い年代でも尿もれで悩んでいるといいます。決して他人事ではないんですよね。

代表的な尿もれの症状
腹圧性尿失禁腹腔内圧が刺激を受ける際に尿意が起こること。例えば、咳やくしゃみ・笑いなどでお腹に力が入って「ちょっと漏れ」してしまうこと。これなら誰でもありそうな。

切迫性尿失禁尿意が切迫してから急に起こる尿もれ。「トイレへ行きたい」と感じると猛烈に行きたくなり、ガマンできずもらしてしまう、という症状。

そして、この2つの症状を併せ持つ混合性尿失禁。今までは閉経後の女性や男性に多かったのですが、このコロナ禍で急増しているそう。

骨盤底筋群をご存知ですか?


皆さんも一度は耳にしたことがある「骨盤底筋群」。「この筋肉が尿もれの原因と大きく関係している」と福山先生。
「骨盤の底に位置するハンモックのような形状をした筋肉で、この筋力が衰えると骨盤臓器(子宮や膣)や膀胱を十分にコントロールできなくなってしまい、尿もれや排便障害、さらには性機能障害などの症状が現れるのです。
最近はこの骨盤底筋群を鍛えるエクササイズや体操なども紹介されていますが、実際に鍛えるとなると大変で、効果もなかなか得られない場所なんですよね」。

そうなんですよ。
コロナ禍で運動量が減って座っている時間が長くなった今、お尻やお腹・太もも(特に内もも)の筋力が低下しているなぁ、と実感していました。ユーチューブで人気の簡単エクササイズを試してみたものの、効果を感じられず……。いつの間にかエクササイズもやらなくなっていました。

「くしゃみや咳によるちょっとした尿もれの経験なら誰にでもあると思います。最初は『あら、ヤダわ〜』くらいに笑っていたのが、頻度が高くなると移動時や外出先でトイレを確認したり、もれてしまったときのことを心配し、出かけること自体が億劫になってしまう」と福山先生。

しかも、尿失禁以外にもいろいろな症状があるそう。
「例えば、出産や閉経後に伴う性的不快感やぽっこりお腹。ダイエットをしているのにお腹回りだけ痩せなかったり、椅子から立ち上がるとき、億劫になっていない?」
え……めちゃくちゃあるんですけど。これって何か問題なの?

座っているだけでOK
骨盤底筋群を鍛える「筋トレ」法


福山先生がかねてから注目していた「エムセラ(EMSELLA)」は、尿失禁やデリケートゾーンの不快感に対する治療マシーン。日本で導入しているクリニックも徐々に増えていますが、すでに海外での治療実績は高く、「尿もれのために使用していた吸収性パットの使用回数が明らかに減った」という結果も出ているとか。

どのようなことをしているかというと、高密度焦点式電磁で骨盤底筋を刺激し、収縮させる。「1回の施術で約1万7000回以上の超極大筋収縮が誘発され、筋トレと同じ効果を得られるのです」と福山先生。
しかも、「30分間座っているだけ」というのがポイント。服を着たままでOKだから、ラクなんですよね。ものは試しで体験してみることにしました。

完全個室で先生と面談し、ここで治療内容についてしっかりお話を。膣ケアや大人の性の悩みなどフェムテック全般の治療やケアをおこなっている。
これがエムセラ。高密度焦点式電磁を骨盤底筋に当て、筋肉を収縮させます。30分座っているだけの簡単治療。 (ペースメーカー、妊娠中の方、医師の診断により治療を受けることができない場合もあります)
座椅子から「トットットッ……」と5種類のリズミカルな電磁が骨盤底筋群を刺激。最初はおっかなびっくりで電磁の照射量を80%程度に。照射量を大きくすると、もちろん刺激も強くなります。「効果を感じやすい方は翌日にお腹がズンと重くなるような筋肉痛があります」と福山先生。
正しく座っていればあとは何をしていてもOK。お茶を飲んだり、雑誌を読んだり。

そこで、知りたいのはエムセラの効果実感。「1回の施術でも改善を感じる方もいますが、できれば何回か連続して受けた方がいいですよ。腕や脚の筋トレと同じように、繰り返しおこなうことで効果が発揮されます」とのこと。

私は計6回の施術を受けたのですが、3回目くらいから変化が……。椅子から立ち上がるときの動作がスムーズになり、「よっこらしょ!」的な言葉も全く必要ないほどに。急な動作やバランスを崩したときでもお腹に力が入り、グッと踏ん張れるようになったのです。すると、ぽっこりお腹も少しだけ凹んだような(笑)。

クリニックヘ行くことは人の目も気になりますし、気持ち的にもハードルが高いですよね。私も最初はそうでした。ですが、福山先生と出会い、今では私の主治医となって体の悩みを何でも相談できる間柄に。この安心感はあると無いとでは大違いです。
「今まで『仕方ない』と諦めていたことも、諦めなくて済むのが今の医療です。かかりつけのクリニックを見つけて欲しい」と福山先生。一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

福山千代子先生
2001年金沢医科大学医学部卒業後、09年アヴェニューウィメンズクリニック院長就任。21年MET BEAUTY CLINICへ入職。女性のライフステージ寄り添い、さまざまな年代の悩みに対し、女性ならではの視点と美容医療×婦人科だからこそ取り組むことができる最新の医療を用いて、オーダーメイドで治療法を提案している。

MET ビューティークリニック
東京都港区南青山5−11−9 レキシントン青山2階
tel. 0120-776-123


取材・文/長谷川真弓
構成/國見香