ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考えます。今回は、10年以上事実婚状態を続けたのち、アラフォーで結婚を決めたえりなさんにお話を伺いました。

“瞬間湯沸かし器”だった私が許せるようになったこと。アラフィフ夫婦ならではの良さとは_img0
えりなさん(53歳)、大輔さん(56歳)。20代で交際し、十数年事実婚した後に39歳で入籍。

39歳で同棲相手だった大輔さんと入籍し、以来十数年も仲睦まじく暮らしているえりなさん。お話を伺っていると、ご夫婦の信頼関係と絆の強さを感じて、「いいな〜」とうらやましく思います。お互いに異性の友達と出かけても気にならなかったり、別々に旅行に送り出したりしても不安にならなくていい関係って、理想ですよね。

そんなおふたりですが、少し前はケンカすることも多かったそう。

 

えりなさん:昔は一週間くらい口を聞かないこともありましたね〜。私は瞬間湯沸かし器と言われるくらい、すぐカッとしちゃうタイプ。自分が悪いと思わないときは謝らないので。

さかい:何が原因でケンカになるんですか?

えりなさん:大抵は向こうがあまりにも家事をしなすぎることが原因。「3日以内に片付ける」って言ったのに全然片付けない、とかね。
実は今の家を買う前にも、あまりにも家が散らかりすぎていたことに私がキレて、もう同居は解消しようかな、と思っていたほど。頭にきて洗濯物を投げつけたこともあります。

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恋人とケンカしたあとの気まずい空気に数時間でも耐えられない私には、一週間も口をきかないなんて想像するだけでも無理そうです。

さかい:そういうときはどうやって仲直りするんですか?

えりなさん:時間が経つにつれ、最初は怒っていても、段々ケンカしている状態に飽きてきちゃうので、自然と話したりして仲直りしている感じです。向こうが怒っている場合なら、私は関わらずにただ嵐が過ぎるのをじっと待ちます。だけどお互いに年を取って丸くなったのもあるし、最近はお互いの着地点がわかってきて、あまりぶつからないようになりました。

今でも、家事はほぼえりなさん任せな大輔さんに対し、「こっちだって働いているのに……」という不公平感は拭えないというえりなさん。

えりなさん:だけど私は私で、パソコンの配線は苦手だし。それぞれがやれることをやって、やってくれたら感謝する。細かいことは言わない。期待というか、何かを求めたりもしない。そう思うようになったのも、ケンカが減った理由かもしれませんね。たまに向こうが珍しく家事をやってくれたときも、洗い物を任せたら絶対に洗い残しがある。でも一生懸命やってくれてるんだから片目をつぶっておこう、と。
まあこれは、大人ふたりの気ままな生活だからやっていけていて、子供がいたらもっとキーキー言ってたかもしれないですけどね。

そうやって相手に期待しすぎず「まあいいか」で流せるのは、アラフィフ同士だからこそ。自分のやり方を押し付けても相手は今更変わらないってこと、よくわかっていますものね。

若い新婚カップルのような情熱的な関係ではなくても、大人同士が相手の家族を気遣ったり、お互いを支えあったりして思いやる熟年夫婦の温かさって素敵。えりなさんと大輔さんのおふたりは20代の頃から付き合っているカップルなので厳密には晩婚ではないけれど、40代から結婚するなら、おふたりのようにがっちりした心の絆と信頼で繋がっている、穏やかな関係が理想ですよね。

次回は、おふたりが「夫婦になったんだな」と実感した出来事についてをご紹介します!

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 


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