ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考えます。今回は、10年以上事実婚状態を続けたのち、アラフォーで結婚を決めたえりなさんにお話を伺いました。

えりなさん(53歳)、大輔さん(56歳)。20代で交際し、十数年事実婚した後に39歳で入籍。

20代から同棲を始め、39歳のときに入籍したえりなさんと大輔さん。現在、えりなさんは53歳。かれこれ20年近くも一緒に過ごして来たふたりですが、最近になってようやく「大人になったな」と感じた出来事があったそう。

 

えりなさん:去年、大輔さんの写真集の作品撮りのためにふたりでハワイに行ったんです。そのとき、2週間もトイレとお風呂以外の時間はずっと一緒。だけどケンカを一度もしなかったんですよね。旅行が終わってから、「昔だったら絶対にケンカしてたのに、私たちも大人になったな」と思いました。

 

実はカメラマンの大輔さんは、コロナ禍前は年中ロケで家を不在にすることが多かったのですが、それも「夫婦長続きの秘訣」だと、えりなさん。

えりなさん:夫がロケで留守にすることが多いので、その間はひとり暮らし気分なのですが、その分、夫が帰ってくるのが楽しみになるんですよね。その点は、ずっと一緒にいるよりもよかったんじゃないかと思います。待っている間は自由にできますし。あんまり構われても嫌になるものですしね。

 

そんなわけで、おふたりは久しぶりの珍しい夫婦水入らずの濃い時間をハワイで楽しめたことで、夫婦の絆を再確認できたようです。

結婚していても13年で離婚してしまった私には、入籍せずともそれくらいの期間を事実婚カップルとして過ごし、その後も仲良く暮らしているえりなさんたちのお話を伺うと、「籍を入れるかどうかっていうのは愛情が続くこととは関係ないのだな」と改めて思いました。

そんなえりなさんが今から結婚する人へのアドバイスは、「同棲は最大のリスクヘッジ」ということ。

えりなさん:可能であれば、いきなり入籍するよりは一緒に住んでみた方が、その後のふたりの課題が見えてくる気がします。あとは、与えるばかりでも続かないし、与えてもらうばかりでも続かない。だからお互いが協力し合える関係になれるかどうかが大事ですよね。たとえばほかの家族の問題が出て来たときにも、惜しみない協力を出来るのが夫婦という関係。遊びも仕事も、お互いに最強のタッグを組める相手ならば、人生はより豊かになるのではないでしょうか。

ギブ&テイクやメリットばかり考えずに、自分のできるサポートは惜しみなく与える、それができるのが夫婦という関係性ということ。人生後半にそんな相手をみつけられたなら、とても心強いですよね。果たして私・さかいにもそんなパートナーが現れるのか。乞うご期待です!

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 


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