書き出せたら、大判の付箋を三つの分類で仕分けしていきます。
① Tの要素(Thinking)
② Cの要素(Communication)
③ Lの要素(Leadership)
Tの要素は、「考える」「議論する」「勉強する」など。「頭が切れる」「理屈っぽい」と言われる人は、この要素が多くなりそうです。Cの要素は、「人と会う」「話す」「おしゃれする」など。人と一緒に行動するのが好きで社交的な人がCのイメージ。Lの要素は、「仕切る」「挑戦する」「人の世話を焼く」など。周囲に期待されること・頼りにされることがモチベーションになる人はきっとLの要素が多いでしょう。
大判の付箋が一番たくさん貼られたのはどの分類でしたか? それが、あなたの本当の「強み」です。T・C・Lそれぞれの強みを生かせる業界・職能について、はたまたTでもCでもLでもない第三の要素「I」についても、本の中で紹介されています。
「自分ブランド」を磨き、守り、幸せなキャリアを引き寄せる
終身雇用制度を守ってきた多くの企業が徐々に方向転換を進めています。「やる気と素直さが武器です。やれといわれればなんでもやります」という姿勢で仕事をし、雇用する側から便利づかいされていればよい時代はそろそろ終わるのかもしれません。
キャリア新時代ともいえる社会で、幸せに働くには何が必要か。
自分の強みを軸にして、「自分ブランド」を磨き上げること。それが活きる仕事を引き寄せること。
自分ブランドとはつまり、社会で積み上げていきたい「信用」です。信用を得るために、ひとたび自分ブランドを設計したらそのイメージを裏切らないように行動しなければなりません。「ミスのない正確さ」をブランドとする人が単純な計算ミスを連発したら? 「コミュニケーション能力」をブランドとする人がミーティングでずっと黙っていたら? その人のブランドへの信用度が急降下するのは、容易に想像がつきますよね。
人生経験を積んだ人、他者に配慮ができる人ほど、「相手から求められる人物像」に自分をあてはめてキャリアを選択しようとするのかもしれません。しかし、自分の本質とずれのあるキャリア戦略では、自分ブランドを守ることはとても難しくなります。
人と比べる必要なんてない。まして凹んでいる暇などない。君のやるべきことは、ざっくり言うと、君の持って生まれたものを最大限に活かすことだけであるとわかるだろう。一『苦しかったときの話をしようか』より
この「キャリア虎の巻」を読んで、私たちもまずは「好きの棚卸し」からはじめませんか? そして、勇気をもって選びましょう。私の、私だけのキャリアを。
文 /梅津奏
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