「家族の反対」との向き合い方


波照間島で出会ったアロマ石鹸にインスピレーションを得てから、少しずつですが勉強を続けてきました。そんな中、2017年に料理教室の生徒さんが高品質なフランス式アロマを紹介してくれたことが大きな転機になります。

アロマには成分によってさまざまなグレードがあり、品質もまちまち。アメリカやヨーロッパでは医療処方されるほど高品質なものも流通していて、初めてその香りをかいだ時には、ピュアさが脳にダイレクトに届くような衝撃があり、とても驚きました。

 

教室にアロマを持ってきてくれた生徒さんいわく、「厳しい検査をクリアした製品ならば食用の認可も受けていて、お料理に香りづけとして入れることもできるんですよ!」とのこと。さっそく研究し、自分で試してみると、料理の風味が格段に良くなって二度びっくり。

自然由来で、こんなふうに体に塗っても食べてもいいとは。アロマの安全で正しい使い方を共有し、暮らしに取り入れてもらえれば、みなさんの生活に彩りを添えてくれるはず。それこそ私の目指すテーマです。

そこからさらに猛勉強(笑)。これだ! とひらめいたらフル回転で動くこの性格のおかげで、ほどなくしてアロマを生活に取り入れるための講座を立ち上げることに決めました。

じつは当初、アロマ講座の立ち上げは家族からは賛同を得られていませんでした。

せっかく料理研究家として順調なのだから、そちらに専念したほうがいいのではないかというのです。それは100%私を心配し、思いやりから出ている助言だとわかるだけに、さすがの私も無下にはできません。

家族はやるとなったらやる私の性格をよく理解しているので、ジャンルの違う二足のわらじは負担になるのでは? とも思ったようです。

でも不思議と、私の心は決まっていました。

日本にはまだあまりなじみのない、高品質なアロマを取り入れることで、きっと皆さんの暮らしにもっと深く寄り添えるはず。やらない後悔より、やる後悔。2018年、ひそかな決意を胸に、私はアロマ講座をスタートさせました。

まさかそれが、のちのコロナ禍で料理教室を休止したときに、私を支えてくれるとは。人生って何が起こるか分かりません。