5.帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹ワクチンは、50歳以上で必要になります。帯状疱疹ワクチンの効果は非常に高く、臨床試験では帯状疱疹予防に対して90%を超える有効性が報告されています(参考文献3)。
帯状疱疹は命を奪うような病気にはなりにくいものの、長い間痛みを残し、長期にわたって生活の質を落とす可能性のある厄介な病気です。50歳になったら、2カ月間隔で2回の接種が必要となります。
6.肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌ワクチンは、原則65歳以上の方が対象となります。ただし、喘息や肺気腫といった持病がある場合には、65歳未満でも推奨されます。持病があり未接種の場合には、かかりつけ医に相談をしてみましょう。
7.HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
子供の頃に受けていない場合には、少なくとも26歳までの男女に推奨されます。また、メリットはそれ以前に比較して下がりますが、27歳以上でも(45歳ぐらいまで)未接種の場合は個別に相談となります。
HPV感染症は子宮のがんにつながる感染症であり、日本では長い間その接種の勧奨が見合わせられてきてしまいましたが、とても大切なワクチンの一つです。
HPVワクチン接種の積極的勧奨は2013年6月より見送られていましたが、2022年4月より正式に再開されることになりました。また1997年度から2005年度に出生した女性は、積極的勧奨差し控えにより接種機会を逃してしまったということで、2022年4月から2025年3月までの間は、キャッチアップ接種として定期接種にて接種が受けられることになっています。
8.その他のワクチン
今まで紹介した以外にも、例えば、海外旅行を計画する場合には、それぞれ渡航する国に応じた予防接種が必要になることがあります。海外旅行の計画中は楽しみなことが多く、荷造りなどに集中してしまうかもしれませんが、自分の渡航先でどのような感染症が流行し、どのような予防接種が必要になるのかは必ず確認しておくようにしましょう。
渡航先で病気になってしまうと、保険や言語の問題が生じることもあります。未然に防げる病気なら、防いだほうがよいと思います。どこの国でどの予防接種が必要になるかは、厚生労働省のウェブサイトから簡単に確認ができます。
自分のワクチン接種状況と比較して、いかがでしょうか。もし逃しているものがあれば、お近くの医療機関でぜひご相談ください。
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前回記事「ワクチンが社会を守る! 予防接種がもたらす効果とは【医師・山田悠史】」はこちら>>
参考文献
予防接種スケジュール. https://www.niid.go.jp/niid/ja/schedule.html (accessed Jan 16, 2022).
1 Cheng AC, Macartney KK, Waterer GW, Kotsimbos T, Kelly PM, Blyth CC. Repeated Vaccination Does Not Appear to Impact Upon Influenza Vaccine Effectiveness Against Hospitalization With Confirmed Influenza. Clin Infect Dis 2017; 64: 1564–72.
2 Liang JL, Tiwari T, Moro P, et al. Prevention of Pertussis, Tetanus, and Diphtheria with Vaccines in the United States: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). MMWR Recomm reports Morb Mortal Wkly report Recomm reports 2018; 67: 1–44.
3 Lal H, Cunningham AL, Godeaux O, et al. Efficacy of an adjuvanted herpes zoster subunit vaccine in older adults. N Engl J Med 2015; 372: 2087–96.
写真/shutterstock
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