「要介護・支援状態にある65歳以上の高齢者」と「40歳〜64歳までの特定疾患の患者」は、1〜3割の自己負担で介護保険サービスを受けられますが、これに加えて各市区町村が独自に行う「介護保険外サービス」というものがあるのをご存知でしょうか。介護歴数ヶ月の由美子さんは、この制度について詳しく知らなかったため、親の介護で少しだけ損をしていました。
介護保険の1割負担は助かるけれど…
神奈川県川崎市に住む由美子さんは、数ヶ月前から同じ市内に住む両親を在宅で介護するようになりました。母親は要介護3の介護認定を受けていますが、父親はまだまだ体も動くので、在宅で支え合って暮らしています。母親は歩行器や杖を使って歩くような生活でしたが、それでも週3日のデイサービスと月に2回のショートステイを活用しながら元気に過ごしていました。母親の場合、介護保険制度のおかげで施設の利用料も1割の自己負担で済んでいたため、「介護保険制度には本当に助けられていて」と由美子さん。
このように介護によって家計が圧迫されているわけではありませんでしたが、由美子さんは最近「この先父親まで介護状態になってしまったら、いずれ金銭的に大変な時が来るかも……」と不安を抱くようになりました。また、母親は足腰が弱って料理をすることがままならないため、由美子さんが実家に行けない日は、両親の食事は主にスーパーのお惣菜か外食が中心になってしまっていたのです。
「母は糖尿病を患っているので食事には気を付けたいとは思っていますが、良さそうな配食サービスを見つけても金額的に躊躇してしまって……。それから、日々必要な紙おむつなどの介護用品もそこそこ高くて、介護は何かとお金がかかりますよね」と由美子さんは話します。
ケアマネ経由で知った介護保険外サービス
そんな話をある時近所の明美さんに漏らしたところ、「市が独自でやってる介護保険外サービスのことは知ってるよね?」と言われたのだとか。しかし「介護保険関連はデイサービスや専門職にお世話をしてもらうもの」と思っていた由美子さんは、市区町村に別のそんなサービスがあることは知りません。
そこで明美さんに詳しく聞くと、たとえば月に1度、給付利用限度額(月額5000円)の範囲内で介護用品を給付してくれるサービスがあるとのこと。そこには紙おむつも含まれており、利用者負担率に応じた利用料(母親の場合は1割の500円)で購入できるというのです。また、今は新規の受付は終了してしまったそうですが、どうやら以前は少ない負担額(川崎市の場合は1食あたり550円)で食事を届けてくれて、併せて安全確認の役割も兼ねていたとか。
明美さんはこの介護保険外サービスの概要をケアマネジャーから聞いたそうですが、インターネットで「市区町村名+高齢者+介護保険外サービス」で検索しても、すぐに詳細を調べられると言います。
川崎市の場合【川崎市+高齢者+介護保険外サービス】で検索すると……
そもそもこの介護保険外サービス、一体どんなものなのでしょうか。
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