試行錯誤のうえにたどり着いた
ファッションルールは「3の法則」


そういった絶妙なバランス感覚を保つには、富岡さん流のルールがあるのだという。

「私が全身のバランスを整えるのによく使う手といえば、素敵な大人カジュアルについて考えているうちに自然とたどり着いた『3の法則』。着こなしのなかで目立つトレンドアイテムを2、ベーシックなアイテムを1として、トータルで3のバランスになるように仕上げるというルール。今日の格好でいうと、流行のガウンコートは2にあたるので、さらにトレンド性の高いアイテムを足すと、2+2=4になってしまってトゥーマッチな装いに。だから他はシャツやデニムなどベーシックな1のアイテムで抑えれば、ベストバランスが完成するという具合です。

「大人カジュアルのマイルールがあるんです」

私と同世代の40代女性で、こなれたカジュアルにしているはずなのに、どこか頑張りすぎた印象のスタイルになってしまう人は、たいてい全身のバランスが4になってしまっているんです。

たとえばセットアップのニットを着て、ボルサリーノのハットを被り、ビルケンシュトックのサンダルを履く。一見、足元に“抜け”を計算したお洒落な着こなしのように思えますよね。確かに20代なら全く問題ないのですが、これをアラフォーがやるとどこか頑張っている感が出てしまう。それは40代にとってどのアイテムも“2”になってしまうからです。

とはいえ、全身をベーシックで固めたコーディネートも、それはそれで老けて見えます。要するに、トレンドを盛ったら別のアイテムはベーシックに、ベーシックすぎたらトレンドアイテムを盛るという風に、全体を俯瞰しながら、足し算と引き算を図っていくのが重要だということなんです。

若い時はそんな計算をしなくても、とことん楽しんで可愛くいられるんですよね。40代になると正直、着るのをためらう服だってどんどん出てきます。でも、失うものがある代わりに得るものも必ずある。たとえばハイブランドをさらりと身に着けてサマになるのは私たちの世代だからこそ。私は、そういう年を重ねていく女性ならではの美しさを追求して表現していきたいんです」

モデルに徹して、自分ができることを
考えたら、今のインスタグラムの形に


富岡さんの持ち味を全開にして、そのポリシーを表現しているインスタグラムの世界。

「私は古いタイプのせいか、モデルというのは、あくまでも洋服を見せるのが役目だと思っていて。だからインスタグラムを始める際にも、あれこれと考えました。プライベートを公開する以外のことで、皆さんに喜んでいただくためにできることは何だろう? って。

そう考えているうちに、やはり仕事柄、ファッションをテーマにしていくのが一番いいのかなという結論に達したんです。もともと実は自分に焦点が当たるというのを気恥ずかしいと思うほう。でも洋服を見せるという目的があれば、モデルに徹して表現していける。世代を問わず楽しんでいただけるものになっていたら、なお嬉しいですね」

富岡佳子さんインスタグラムより
富岡佳子さんインスタグラムより

■プロフィール

富岡佳子/モデル
大阪府生まれ。短大時代にモデルとしてデビュー。2009年9月号から雑誌『STORY』に登場し、2010年5月号からカバーモデルに。年齢を重ねるごとに輝きを増す存在感と、内側から溢れ出すような美しさに憧れる同世代のファンが多数。
著書に『シンプルなファッションを「素敵! 」に見せる私の発見60』/光文社 (2014/11/12)、『かわいいオトナの創りかた 30代から輝く方法』/メディアファクトリー(2012/3/2)など。
>>インスタグラム @yoshikotomioka
>>オフィシャルブログ



続きは、12月25日アップ予定です!
富岡佳子さんの子育て哲学には、一同感銘を受けました!お楽しみに。


撮影/伊藤 翔  ヘア&メイク/
神戸春美 取材・文/河野真理子 構成/川良咲子(編集部)

 
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