美の定義が、反対側で人を傷つけるものであってはいけない
資生堂は150年間、表舞台の美を啓蒙してきただけでなく、とても静かに、点字の美容ブックを作ったり、アザや白斑を隠すための化粧品とメソッド作り、認知症患者の美容提案にも積極的に取り組んだりと、“日の目を見ない美”のためにも力を尽くしてきました。
そうしたことを声高に主張することもなく、化粧品メーカーとしての“社会的責任”と位置づけると同時に、美の定義が、反対側で人を傷つけるものであってはいけないと、常に心で唱えてきたメーカーなのです。
奇しくもここ数年で、美の定義は劇的な変化を遂げました。急激な多様化の波は、慎重な検証もままならぬ中、「美人」という表記そのものをタブーとする風潮さえ生みました。“ルッキズム”は否定されて然るべきですが、美しい人の美しさまで否定する世の中になるのには、やはり多少の恐れを感じます。
ただここで資生堂がはっきりと、人の幸せを願える心を、美しさの揺るがぬ条件としてくれたことは、今の混沌とした世の中に新しい価値を作り上げていくことになるはず。
これは単なる広告コピーではなく、未来の私たちの生き方を変えるほどの、大切な大切な提言なのです。
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