温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)が、5月27日に発売となりました。新刊から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

パートナーが落ち込んでいたら、
まずはそっとして、家を心地よくしよう

 

女性はホルモンバランスの変動によってメンタルの不調が起きやすいのですが、パートナーの男性がメンタルに不調をきたしてしまう場合もあります。
そして、そんなとき何をしてあげればいいかわからないという悩みを相談されることがあります。

 


男性は更年期に、社会で頑張る意欲が下がりやすくなる


女性の場合は、加齢とともにエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が減っていき、それに伴ってメンタルの不調が起きやすくなります。

これに対して、男性はどうかというと、男性ホルモンのテストステロンの値は、女性にとってのエストロゲンほどではないにせよ、加齢とともに少しずつ下がっていきます。

そうすると、社会で前向きに頑張る意欲が下がりやすくなる場合があり、これは男性の更年期のサインであるとも言われています。
それに加えて、職場などでのストレスが重なると、メンタルに不調をきたしてしまうことがあります。

 

男性は社会学的には古来、外に出て行って敵と闘ってきた生き物なので、味方同士でコミュニケーションを取るにしても、戦術について相談するくらいで、自分の弱みや悩みを誰かに話すメリットをあまり感じてこなかったという歴史があります。
ですから、男性はもともと人に悩みを相談しない生き物です。


男性には、無理に相談にのろうとすると逆効果になることも


このような傾向をふまえて、パートナーの男性がメンタルに不調をきたした場合にできることを考えてみると、何か声がけをしてみても自分から話そうとしてこなかったら、そっとしておくのが最善策だと思います。

女性側から、どうしたの? 何があったの? どうして落ち込んでるの?などと聞くと、男性にとっては負担になりかねません。
無理に話させようとせず、話したいときがきたらいつでも聞くよという姿勢でいるのがいいと思います。

 
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