デリケートゾーンのケアが流行中。
でも、“内側”には必要ありませんよ

 

VIO脱毛をしたり、デリケートゾーンを専用のソープで洗ったり、保湿をしたり、腟のマッサージをしたりといったデリケートゾーンのケアが流行っていますね。産婦人科医として、どういうケアをしたらいいかお話ししたいと思います。

 


VIO脱毛は、医学的には問題ないので、好みや目的に合わせて選択を


まず、VIO脱毛に関してですが、VIOの毛には、外陰部を隠したり保護したりする役割があります。
ただ、人類が生まれたときと違って、私たちは服を着るようになったので、毛がなくても外陰部を隠したり、保護したりできるようになり、毛はなくてはならないものではなくなっています。
医学的には、VIO脱毛はしないほうがいい理由はなく、しても問題はありません。
脱毛をすることでムレにくくなったり、尿や便が毛につかないのでニオイを防いだりできるというメリットがあります。
あとは、性交渉のときや、公衆浴場に行ったときなどに、相手からどう見られるかを気にするかどうかなので、自分の好みや目的に合わせて決めればいいと思います。

 


腟の中は自浄作用があるので、ソープで洗うのはNG


次に、デリケートゾーンを専用ソープで洗うことについてですが、腟の中を頻回に洗うことは学会では推奨されていません。
腟内にはもともと自浄作用があるのでソープで洗う必要がなく、洗い過ぎると腟内の細菌叢が壊れてしまい感染症のリスクが高まるからです。
腟内は洗わず、外陰部をお湯で洗いながら指で恥垢を落とすくらいでいいと思います。
 

保湿やマッサージは、乾燥や性交痛対策に


それから、デリケートゾーンの保湿については、外陰部が乾燥しやすい人はボディクリームやオイルなどで保湿をするのはよいでしょう。

また、腟の中を専用のオイルなどでマッサージすることについては、性交渉のときにすべりがよくなるというメリットはあると思います。

年齢が高くなってくると、しばらく性交渉をしていないと腟の弾力性が失われて伸びにくくなるので、久しぶり性交渉をしたときに性交痛が起きやすくなります。腟のマッサージをしておくとそれを防げるというメリットもありますね。
とはいえその効果を求めるなら、婦人科のエストロゲン(エストリオール)の腟剤や飲み薬のほうが効果は高いです。

 
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