最終的に別れてしまったものの、印象に残ったカップルはいますか?
ユキノさん:プリアとミズキですね。外見的には二人とも美男美女でお似合いだったし、ポッドを出た直後も、お互いタイプだったように見えたけど、結果は……。結婚前に相手を知ることがどれほど重要かと思い知らされますよね(笑)。
エリさん:ミズキの数々のツッコミポイントは省略するとして(笑)一番びっくりしたのは、このまま続けていっても絶対にうまくいかないことが誰の目から見ても明らかなのに、それでもミズキが自分からは身を引こうとしないところ。なんとかこの場を切り抜けて、あのまま結婚するつもりだったのかな……。
ユキノさん:ミズキは極端なパターンかもしれないけれど、世の中には、勢いと恋愛感情だけで結婚に踏み切るタイプの男性が多いのは現実ですよね。もちろん結婚に勢いは大事ですけど、そこに“覚悟”が伴わないと、実際結婚生活で問題が浮上したときに耐えられなくなります。
エリさん:プリアは恋愛よりも、結婚を通してその先の人生を見ようとしていましたね。
ユキノさん:それはすごく大事なことだと思います。現実に目をつぶって恋愛感情だけで結婚すると失敗の可能性が高まるので……。
エリさん:それからもう一組、印象的だったのは、超年の差カップルのシュンタロウ(56)とアヤノ(30)。ポッドの中ではシュンタロウが大人の男性ぶりを発揮してリードしていたんですけど、ポッドを出てからのギャップがすごかったかな……。アヤノ本人も突っ込んでいましたが、“上司と部下”にしか見えなかったです(笑)。
ユキノさん:シュンタロウは、ポッド内でのアプローチの仕方が秀逸でしたよね。ちょうどアヤノが精神的に追い詰められていたこともあって、その心の隙にうまく入った感じがしました。でもポッドを出てから、やはり抗えない年齢差含め、おそらくアヤノは現実に気づいてしまったのかも。一方で、シュンタロウもそんなアヤノの気持ちに気づいて、卑屈になってしまった。
エリさん:ただでさえ、26歳年下で、お姫様みたいに綺麗な女性ですから……。よほど自分に自信がある男性でないと難しいですよね。彼女をリードしなくちゃとか、いいところを見せなくちゃと焦るあまり、上司と部下みたいな形でしかその気持ちを表現できなかったのかも。あの二人の場合、ずっとポッドの世界に生きているなら、うまくいっていたんでしょうけど。
そうすると、やはり『ラブ・イズ・ブラインド』のテーマでもある「姿が見えない状態で、結婚相手を見つけることは可能か?」という問いに対しては、Noなのでしょうか?
ユキノさん:Noではないと思います。なぜならゴールインした2組のカップルには共通点があって、それはおそらく現実世界で顔を見てから知り合っていたら絶対に恋には落ちていないという点。そんな2組がカップル成立したということは、むしろラブ・イズ・ブラインドは成り立つということなのでは。
エリさん:ただしそれが成り立ったのは、その2組がポッドの時点で、心の繋がりをしっかりと築いていたからですね。
ユキノさん:夫婦について、今さらながら学びなおした気分です(笑)。
その後、SNSで実生活での入籍を報告したカップルもおり、世界中のファンが歓喜に湧きました。『ラブ・イズ・ブラインドJAPAN』を通して、結婚や夫婦生活を維持するためには本当は何が必要なのか、改めて考えさせられました!
文/小澤サチエ
構成/山本理沙
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