こんばんは。編集・川端です。
「真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室」、第103夜をお届けします。
今夜は私の今の激推しを勝手に紹介するコーナーです。
今日の勝手に貸出カードは、児玉雨子さんの『誰にも奪われたくない/凸撃』です。
児玉雨子さんは、100回記念Podcastでご紹介した『文藝』2022年春号「母の娘」号で、書き下ろし小説「じゃあ何から生まれたかったの?」を寄稿してらっしゃいました。実の母娘関係が破綻した塾講師と元教え子の女二人が擬似の母娘として同居する物語。軽やかなタッチと会話のテンポ感と、相反するような気持ちをえぐる鋭さに、「この人、何もんや!」となりまして。すぐにウィキペディアをググったところ、ハロプロなどのアイドルソングやアニメ主題歌、キャラクターソングなどを手掛ける人気作詞家さんであることがわかり、深く納得したのでした。
小説「誰にも奪われたくない」は、そんな児玉雨子さんご自身を意識させるような、若手作詞家の園田レイカと、楽曲提供をしたアイドルグループの人気メンバー佐久村真子との交流を描いた物語です。
うすら寂しさと闇を抱えた二人がどんどん仲良くなっていくシスターフッド的な物語を安易に期待すると裏切られます。
人気アイドル真子の荒れた部屋、画面の割れたiPhone……レイカの感じた違和感は、やがて大きなスキャンダルへと繋がっていきます。
<今夜の勝手に貸出カード>
【第103夜】外部のノイズをシャットダウンすることで奪われるもの
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<次回>
4月13日(水)22時配信予定
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撮影/塚田亮平
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