こんばんは。編集・川端です。
「真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室」、第102夜をお届けします。
今夜のお便りご紹介します。
ひつじさん、18歳・大学生の方からいただきました。
「バタやんさんこんにちは。いつも楽しく聴いています。
私は読書は好きなのですが、たくさん読むわけでもなく、流行りの作家さんなど詳しいわけではありません。そのため、本が好きというのが少し申し訳ない気持ちになります。
結末や答えがはっきりしているような本ではなく、余白が多くて、こういうことかな〜と考えを巡らせられるような本があれば教えてください」
とのリクエストにお答えしたいと思います。
「読書好き」「本好き」っていうとなんだか読書というジャンルに精通していないと名乗れないような大仰な感じがしますよね。有名作家や名作を読みこなしてないと名乗ってはいけないような、高尚な趣味の印象が私もあって、気がひけるのです。
「映画好き」っていうと「好きな監督は?」とか聞かれてしまいそう(マウンティング体制に入られそう)だから、「映画好き」じゃなくて「映画が好き」って言っておけばいいんじゃない? と本谷有希子さんが長濱ねるさんへアドバイスしておられました。
本谷有希子×長濱ねる「無理しないで」に代わる自分がラクになる言葉は?>>
私も出版社の数々の先輩を前に「読書好き」と名乗る自信はなくて、読書は好きです、と答えています。
そんなひつじさんに今日ご紹介する勝手に貸し出しカードは、川上未映子さんの『春のこわいもの』にしました。
パンデミック直前の2020年春の東京を舞台に、なんとも得体の知れない、とらえどころのないこわさを感じる短編小説です。
ギャラ飲みの面接を受ける二人の女性のお話「あなたの鼻がもう少し高ければ」や、高校時代の親友から久しぶりにかかってきた電話に、自分の過去のしうちを思い出す「娘について」など、胸がギュッとなるので、どうぞ心してお開きください。
<今夜の勝手に貸出カード>
岸井ゆきのさんがナレーターをつとめる『春のこわいもの』オーディオブックはこちら>>
【第102夜】この世で一番こわいものは、過去の自分のしうち?
上記をタップすると音声が流れます。音量にご注意くださいね。
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<次回>
4月6日(水)22時配信予定
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撮影/塚田亮平
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