オミクロンXEはなぜ生まれた？その特徴と名前の由来【医師が解説】

XEが話題になった理由を山田悠史医師が解説

山田　実はこのXEに関しては、他と比べて少し懸念すべき点があるからこそ、国際的に注目されているんです。イギリスの報告によると、今最も伝播性が高いと言われているBA.2よりも、さらに10%ほど、伝播性が高そうだ、というのです。

碓氷　なるほど。ウイルス側の立場からすると、また進化した感じなんですね。

山田　そうですね。ただ、「また新しい懸念すべきウイルスが出てきたぞ！」ということで、一部過剰な報道や警告がSNSなどでも出ていますが、冷静に振り返るとXEというのはギリシャ語の名前を与えられなかったウイルスですよね。
つまり、デルタやオミクロンのような「新しいもの」が誕生したというわけではなく、BA.2の顔をしていて、ちょっとBA.1のホクロを獲得した、そんなイメージのウイルスなんです。
顔色がそう違わないのだからウイルスの特徴もそう違わないだろう、予測のつかない変なことが起こる確率は低いだろう、と思われているのです。ですので、このXEを特別に怖れる必要はないと思います。

碓氷　なるほど。ということは、対応策としては今まで通りですね。

山田　おっしゃる通りです。これまで同様にワクチンをしっかり広げるとか、感染予防策をしっかりする、こうした基本は何も変わらないです。

碓氷　わかりました。新しい名前がこれからどんどん出てきたとしても、慌てずに対応していきたいですね。

山田　それが大事なところですね。

碓氷　今日は話題のオミクロンXEについて山田悠史先生にうかがいました。どうもありがとうございました！