4月15日、3ブランドが集まるダイソーのグローバル旗艦店がオープンしたマロニエゲート銀座2(写真は2020年当時)。写真:森田直樹/アフロ

100円ショップ最大手の「ダイソー」が、東京・銀座の商業施設「マロニエゲート銀座2」に旗艦店をオープンしたことが話題となっています。同じフロアに3店舗が同時展開しているのですが、とりわけ注目を集めているのが「300円」ショップです。100円均一がウリの同社で、なぜ300円ショップなのでしょうか。

 

筆者は100円ショップが大好きで、極論すると何でも100均で揃えるくらいの勢いといっても過言ではありません。家の中には100均で買った商品が数多く活躍しており、100均好きが高じて、商品をまとめ買いしたこともあります(一部の企業ではネット通販で一部の商品を大量購入できます)。利用頻度は人によって違うと思いますが、今や100円ショップは、私たちの日常生活になくてはならない存在といってよいでしょう。

ところが近年、100円ショップの存続が難しくなっていると言われています。その理由は、世界的に進む物価高騰の影響で、商品を安く仕入れることができなくなったからです。

100円均一で商品を販売するためには、理屈上、すべての商品を100円以下で仕入れなければなりません。実際はそうではなく、商品の中には100円以上で仕入れているモノもあります。しかし一部の商品は非常に安く仕入れることができるので、お店としてはトータルで利益が出るように調整し、100円均一を維持しているというのが現実です。

棚に並ぶ商品の中に、どう見ても100円では採算が合わないだろうと思われるモノが含まれていることにはこうした理由があります。つまり、相対的に安価に仕入れることができる商品の存在が100円均一を支えているわけですが、近年の物価高騰によって、こうした格安商品が少なくなっているのです。

100円ショップで売られている商品の多くは、中国など新興国が製造していますが、近年、新興国の経済成長が著しく、中国においても都市部では日本と生活水準がほとんど変わらないか、一部では日本を上回るところも出てきました。当然、物価もそれに伴って上昇しており、輸出する商品の価格も上がっています。

100円ショップによく行く人なら気付いていると思いますが、すでに一部の店舗では、100円の商品に混じって、200円や300円の商品が棚に並んでいます。つまり世界的な物価高騰の影響で、100円均一では利益を出しにくくなっており、ダイソーが出店した300円ショップのような形態が今後、拡大していく可能性が高いと予想されています。

 
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