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この春から、iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度が改正になりました。公的年金の制度改正に合わせた措置ですが、何が変わったのでしょうか。

 


iDeCo(個人型確定拠出年金)は、現役時代に個人が毎月一定額を積み立て、自ら運用先を選ぶことで、将来、相応の年金を受け取れる制度です。日本の公的年金は全員が加入する国民年金と、企業に勤務するサラリーマンが加入する厚生年金の2階建てになっています。iDeCoは、3階部分について個人的に追加する制度と考えてよいでしょう。

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同じく確定拠出年金のひとつに企業型DCと呼ばれるものがあり、こちらは個人ではなく企業が掛け金を拠出する仕組みですが、受け取る年金額は運用成績次第ですから、こちらもiDeCoと同様、自己責任の年金制度ということになります。

整理すると、今の年金制度は、政府が管理する国民年金と厚生年金があり、個人が管理するiDeCoあるいは企業型DCという第3の年金があるという図式です。

これまでのiDeCoでは、年金(給付金)の受け取りは60歳から70歳までの10年間となっていました。しかし2022年4月からは60歳から75歳までと5年延長され15年間となります。さらに5月からは、iDeCoに加入できる期間も延長されます。これまではiDeCoに加入して積み立てができるのは60歳未満でしたが、今後は65歳未満の人まで加入できます。

iDeCoの改正は、公的年金の制度変更と歩調を合わせたものと考えてよいでしょう。

今年4月から公的年金の制度が変わり、年金の受給開始時期が60歳から75歳の15年間に拡大されました。公的年金における標準的な支給開始年齢は65歳ですが、5年前倒したり(繰り上げ支給)、5年先送り(繰り下げ支給)することができるようになっていました(繰り上げた場合、年金は減額となり、繰り下げた場合には逆に増額になる)。今回の改正は、繰り下げの期間を5年延長し、75歳からでも受け取れるようにするというの大きなポイントです。

これに加えて、政府は在職老齢年金制度も見直しています。

 
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