「中学受験費用」をスリム化する方法とは?
「中学受験をしたい」「でも小学生のうちは、通常の塾に通い続けるお金は出せない」といった場合、どのように中学受験費用をスリム化すればよいのでしょうか。
一つ目の案は、小4や小5までの間は通信教育等を選ぶ方法があります。例えば、Z会や四谷大塚の『進学くらぶ』などの通信教育やオンライン教材なら月1万円代から受講でき、費用としては一般的な通塾に比べると非常に安価です。ただし、リアルな場で見守ってくれる先生がいないため、保護者のサポートはより一層欠かせないでしょう。
小6から通塾に切り替えるケースなら、トータルの費用は100万円以上安くなります。ただし、入塾テストを設けている塾に小6から通いたい場合、小4から小5、さらに小6と学年が上がるにつれて入塾テストの合格ラインが上がるのが一般的なため、「小3や小4ではパスできたのに、小6で入塾テストを受けたらパスできなかった」とならないように準備が必要です。
二つ目の案は、通常の塾には通うとして、春期講習、夏期講習、冬期講習、特別講習などを受講せず、同じようなテキストを使って自宅学習にする方法です。季節講習や特別講習は、塾にもよりますが、小4~小6の3年間でトータル100~150万円ほどはかかります。特に季節講習は、自動的に受講費が引き落とされるのが一般的ですので、必要かどうかを都度家族で話し合うことが大切でしょう。
三つ目の案は、少々レアケースにはなりますが、一般的な4科目受験ではなく、2科目受験や英語受験のみを目指すという方法です。中学受験を扱う塾では、2科目(国語・算数)受験の対応をしているところもあり、通常の受講費や季節講習は、4科目の場合に比べて7~8割ほどの費用になります。
近年入試が多様化しており、数は限られるものの、1科目(国語または算数または英語)受験や2科目(国語と算数)受験をする学校も見られます。本人の得意科目で、かつ志望校で実施している場合は検討するのも手です。
ただし、受験倍率や合格者の入学率を確認するほか、国算の2科目受験の場合に中学の理社の授業についていくためのバックアップ体制はあるか、さらには、入試間近になって「やっぱり4科目受験しかない中学を受験したい」と気持ちが変化する可能性がないかをしっかり考えてから決めたいですね。
中学受験のための塾に一度通い始めると、「やっぱり中学受験はやめよう」というケースは少ないのが現状でしょう。「なんとなく」で通い始めると、その後の中学、高校まで、10年前後にわたって大きな教育費がかかりつづけることになります。また下に妹や弟もいれば、自然な流れで中学受験をすることになり、費用は2倍かかります。
中学受験が終わっても、家族の人生は続いていきます。受験に関する費用は、その時に「出せる金額」ではなく、長い目で見て考え、さらには家族の他の楽しみの支出、マストな支出とも考えあわせて、「いくらまでなら出してよいか」を、各家庭でじっくり話し合うことが大切です。
構成/佐野倫子
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