さえずりよりも、言葉を話す


私とペアだと思っているあいちゃんは、鳥のさえずり以上によく言葉をしゃべります。何を言っているのかは分からないものも多いのですが、「あいちゃん」「アイシテイルヨ」「アレクサ(※Amazon Echo)」は、ハッキリと話します。
私とコミュニケーションをとるためにも、人間の言葉を覚えることが大切だと思ったのかもしれません。

彼にとって、「あいちゃん」という言葉は、自分の名前というよりも、“相手を呼ぶときの言葉”。何かある度に、「あいちゃん!」と私を呼んできます。
たとえば、私が原稿の執筆に集中していると、近寄ってきて、「あいちゃん! あいちゃん!」と呼び、自分のほうに気持ちを向けさせようとします。なかなか賢いです。

 

実は、私が鳥を飼いたいと思ったのは、「家の中で鳥のさえずりが聞こえたら、優雅で素敵だな」と思ったからでした。
でも実際飼ってみると、そんな優雅さとは無縁で、“よく分からないけど、人間の言葉っぽいあいちゃんの声”がいつも聞こえています(笑)。

ただ、あいちゃんが家に来てからは、1人暮らしの寂しさなんて、全く感じなくなりました。
おそらく相手が人間でなくても、家の中で“自分のことを気にかけてくれる存在がいる”というだけで、随分、違ってくるのでしょう。

また、インコには「共感力がある」ことも、癒される理由かもしれません。
書籍『うちの鳥の老いじたく~小鳥から大型インコまで~さいごの日まで幸せに暮らすための提案』(著:細川 博昭/誠文堂新光社刊)によると、「鳥は相手の気持ちを汲み取る『共感力』を持っている」そうです。

<人間に馴れている鳥は、人間の感情に敏感です。その家で上手く暮らしていくために、日常的に、人間の表情や行動から、感情や次の行動を予測しているからです。
(中略)
人間が思っている以上に、その心や感情が読み取られていると思ってください。特にうれしさや不安を、よく感じ取っています。>

私がインコと暮らしていて、しっくり馴染むのは、あいちゃんの共感力あってのことかもしれません。常に私を観察し、寄り添ってくれているところがあるんですよね。

さらに、私とインコの生活が、同居生活ではなく、「同棲生活のようだ」という理由がもうひとつあります。なぜかというと、あいちゃんが “愛情たっぷりの彼氏”のようだからです(笑)。
それについては、次のページで紹介します。