“やせる腸”をつくる、今が旬の夏野菜「オクラ」を食べよう
年々太りやすく、やせにくくなるミモレ世代。夏に向けてダイエットに励んでいる人も多いのではないでしょうか? 「ダイエット=食べない」と思いがちですが、実は40代以降がもっともやってはいけないこと。代謝が落ちてますますやせにくくなるだけでなく、げっそりとやつれて老けた印象になってしまいます。そこで管理栄養士の菊池真由子さんが、“やせる栄養素”をしっかりとる「食べるダイエット」を提案!
この連載では毎回やせる栄養素を含む食材をピックアップし、なぜやせるのか、どういうふうに食べるのがよいのか解説していきます。第3回目は「オクラ」です。
みなさんもおいしく食べてスリムを目指しましょう!
ネバネバパワーで、ぺったんこおなかに!
7~8月に旬を迎える鮮やかなグリーンの「オクラ」。ネバネバが特徴ですが、それが最大の“やせる栄養素”とご存じでしたか? その正体が“ペクチン”です。
「ペクチンは水溶性食物繊維で、オクラの重量の約15%を占めています。食物繊維には水にとける水溶性と水にとけない油溶性がありますが、オクラに含まれる水溶性の食物繊維は、糖や脂質などの吸収を抑える働きが」と菊池さん。
さらに注目すべきは、その快腸効果です。
「オクラに含まった豊富なペクチンは、水分を吸って便の水分量を増やして柔らかくし、カサを増やします。快便でスッキリするとお腹も凹んできますよね」
またペクチンにはメタボにも効果的な働きも。「ペクチンは、食後の高血糖を防いでくれるので糖尿病の予防や改善にも。コレステロールの吸収を抑えて動脈硬化を遠ざける、血圧の上昇を防いで高血圧にならないようにするなど、生活習慣病予防の神さまのような存在なんです」
オクラには腸内の“やせ菌”を増やす効果が!
ここのところ、よく耳にするのが“デブ菌”“やせ菌”。これは腸内細菌のことです。
「近年の研究で「太っている人とそうでない人では腸内にいる、ある特定の細菌の量の多い・少ないに違いがある」ということが明らかになりました。この特定の腸内細菌は別名“やせ菌”と呼ばれ、脂肪の取り込みを防ぐ短鎖脂肪酸をたくさん作りだします。つまり、太っている人には“やせ菌”が少ないということ。“やせ菌”を増やすには、善玉菌を増やすための食物繊維がたっぷり必要です。オクラをしっかり食べることで、“やせ菌”を増やすことができるのです」
現代社会では、食物繊維が不足しがちなうえ、ストレスや運動不足から、知らず知らずのうちに便秘になっている人が多い傾向にあります。毎日お通じがあっても量が少なかったり、カチコチで腸の動きが悪い人も急増。「オクラの水溶性食物繊維であるペクチンでお腹をスッキリさせましょう」
さらにうれしい、こんな効果も!
「腸活をすると、3つの効果があります。1つめは免疫力アップ。2つめは快便。3つめはお腹やせです。特に腸管には全身の免疫細胞の60~70%が存在しています。腸活をすることで口から入ってきた病原菌やウイルスから病気になるのを防ぐ『腸管バリア』がしっかりと働いてくれるように」
おすすめレシピ!「オクラとモロヘイヤのからし醤油」
材料(4人分)
・オクラ2袋
・モロヘイヤ1袋
・しょうゆ 適量
・からし 適量(しょうゆの1/2が目安)
作り方
1.モロヘイヤはざく切り、オクラはそのままでそれぞれを茹でる。
オクラが新鮮な場合は生のままでもOK。
2.オクラは細かく切ってネバネバを出す。
3.ボウルにモロヘイヤとオクラを混ぜてしょうゆとからしで和える。
全体を混ぜて泡がでてくるようになればできあがり。
オクラとモロヘイヤはどちらも夏野菜。夏が旬の野菜は紫外線から肌を守る効果が高く、シミができるのを防いだり、紫外線から受ける肌の老化ダメージを軽くする効果も。
またネバネバ野菜は噛み応えがあるので、食べているときの満足感も得やすくなります。和え物だけではなく、汁物やおひたしなどにもオクラはぴったり。ぜひたっぷり召し上がってください。
菊池真由子さん管理栄養士、健康運動指導士、NR・サプリメントアドバイザー。厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。これまでに延べ1万人の栄養指導に携わる。著書に『食べて、やせる! おうちdeダイエット』(三笠書房刊)など。
写真/Shutterstock
構成・文/村田由美子
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