5〜6月は新刊が多く、3点の書籍がミモレから出ました。私は勝手に「ミモレの健康三部作」と呼んでいます。
『最高の老後』と『大丈夫だよ』は松崎が担当、『山手線で心肺停止!』は私が担当しました。松崎はミモレの中で書籍編集を専任で担当しているプロフェッショナル、一方私は2年に1回くらいしか本を出さないので、試算、編成、刊行の申請、プロモーションなど、すべてが不慣れ。かなり、あたふたしています(笑)。
5月下旬に出た産婦人科医高尾美穂先生の『大丈夫だよ』は、これから閉経を迎える、あるいは迎えた女性たちに向けた愛にあふれていて、生理や更年期への対処法だけではなく、人生の第二ステージへ歩みを進めようとする女性たちの背中をぐいっと押す、行動変容を起こさせる本になっています。私自身も「婦人科行こう」「運動しよう」「〜にこだわるのはもうやめよう」など、読んだそばから何かしたくなりました。
高尾美穂先生「自分のせいじゃなくて、女性ホルモンのせい」そう知っておくだけで“大丈夫”と思えます>>
『最高の老後』の著者で米国老年医学医の山田悠史先生は、ミモレで記事を書いてくださるようになった当初は国内の病院のコロナ病棟で働いていて、その後渡米。いまは、ニューヨークのマウントサイナイ医科大学の老年医学・緩和医療科で高齢者診療に従事していらっしゃいます。
山田先生には何年も連載でお世話になっているにも関わらず、実はまだ一度もお会いできてなくて。ただ行間から溢れる人間愛、患者とその家族への敬意に、「あーこの先生がミモレの内科主治医で良かった(これまた勝手にそう呼んでるだけ)」と思い続けてきたんです。個人的には小三で微分積分を解いていたとか、論文マニアで、ジムで走りながらオーディブル? で論文を聴いて覚えてしまう話とか、異能すぎて面白いエピソードも好きです。もうすぐ来日されるので楽しみ!
年齢を重ねることにポジティブになれる本なので、週末実家に帰ったときに両親にプレゼントしようと思っています。
新刊『最高の老後』山田悠史医師がアメリカで働く理由。日本の病院と最大の違いは?>>
『山手線で心肺停止!』もミモレの連載を書籍化したものです。
2019年11月に、それまでもミモレで書いてくださっていたライターの熊本美加さんが本当にある朝突然心肺停止になり、奇跡的に職場復帰した後、翌年から片岡が担当で連載していたんですね。大変反響があったので、覚えていらっしゃる方も多います。片岡が雑誌「栗原はるみ」編集長に就任したのを機に、書籍化は私が引き継ぎ、長い年月を経てようやく刊行することができました。
血圧もコレステロール値も正常範囲で、健診も毎年ちゃんと受けていたのに、突然心肺停止になることがあるのか。今回主治医の先生に取材したら、心疾患は普通の健診では分かりにくく、熊本さんの「冠動脈攣縮性狭心症」は心エコーなど人間ドックのオプション検査でも分からない病気なんだそうです。じゃあどうすればいいのか。それは危険な痛みを感じたときに、すぐ受診する、これに尽きると先生は言います。
あと熊本さんいわく「ストレスと酒」も心臓リスクを高めるそうです。心当たりのある方はぜひご一読ください⋯⋯!
マンガで読む「蘇りルポ」山手線で心肺停止!まさかは突然やってきた>>
加齢や病気をむやみに怖がらず、楽しく学んで、正しく備えたい。そんな思いで送りだした3冊です。一人でも多くの皆さんのお役にたったら嬉しいなと思います。
Comment