他人を放っておいてくれる感じ、その自由さが気に入っています。都会の人は冷たいと言いますが、まあ良くも悪くもサッパリして他人に関心が無いのかも? ものは言いようで、悪く言えば人間関係が希薄、良く言えば面倒臭さやしがらみがなくてちょうどいい距離感、といったところでしょうか。
都会は交通網が発達しているので、首都圏に住んでいる友人にもすぐに会いに行けます。居住地域に知り合いがいなくても、他でコミュニティを作ればよく、たとえ“近所づきあいがなくても孤立しない”ことも、東京に住んでいて気が楽な理由のひとつかもしれません。
【田舎と都会の違い③:自然のスケール】
心に刻まれているのは、変化に富んだ「自然の営み」
筆者がもっとも感じる田舎の良さ――それは、自然の豊かさです。朝は小鳥のさえずり、さらにどこかで鳴いている鶏やうこっけいの声で目覚めます。日中はセミがけたたましく鳴き、夜はカエル、鈴虫、コオロギの大合唱。野生動物や虫たちが身近で、気がつけばそこらへんにいます。
虫嫌いなんて言っていられません。お風呂にはダンゴムシ、ナメクジがよく迷い込んできます。ヤモリやバッタ、カメムシにテントウムシ、カナヘビにムカデ。虫はお友達、くらいに思っていないとやっていられません。
そして空が本当に広い。朝日や夕日も大パノラマ。雲の動きの変化もとっても綺麗です。夜は満天の星が毎日のように空を覆って、息を呑むような美しさを味わえます。
自然のにおいが濃いことも、田舎ならではでしょう。春は大地が芽吹くような、土や草花、お日さまの香りが風に乗って鼻腔をくすぐるのです。思わず深呼吸したくなる春の香りは、田舎にいるときだけの楽しみでした。雨が降ると草花が濡れて、これまたなんとも言えないいい香りがします。畑の肥料に家畜の糞を使ったりするので、そうした肥料のにおいも田舎らしさです。
筆者の住んでいるところは少し車を走らせれば、雄大で荘厳な山々を見ることができました。森の中は空気がとっても澄んでいるんです。季節ごとに多種多様な花が咲き、木々の色も変化するので、それを見るのもまた癒やしでした。柿やあけび、栗や野イチゴ、フキノトウなど、自然のものを採って食べて、季節の実りを味わえるのも、今思えば贅沢だったなぁと思います。おおぶりで新鮮な魚やお肉が安く手に入るのも、田舎のいいところですね。そして、よく豚や鶏、牛がトラックで運ばれていく光景に遭遇します。
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