日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、何度言われても返事に困るというモヤモヤな一言です。

 


「化粧しないのはもったいない」「美人なんだから恋愛すべきだよ!」


エピソードをお寄せくださったのは、都内で一人暮らし、某俳優のおっかけに命をかけているというリカさん(37歳・会社員)。

私はいわゆる「オタク」です。中高生時代から推しのアイドルや俳優がいて、お小遣いをはたいて雑誌やグッズを買っていました。「現場(舞台やライブ、イベントなど)」に駆けつけやすいようにと東京の大学に入学、そのまま都内の会社に入社しました。

以来、恋愛もそこそこにおっかけにまい進する日々。週末は現場で大忙しで、軍資金を稼ぐために仕事も頑張らなければならない。平日も休日もめちゃくちゃ充実しています。

私の優先順位は、①推し活、②仕事、③休息。お化粧やおしゃれも①の現場では頑張りますが、仕事やその他プライベートではほぼすっぴん&ほぼ制服(のようなレパートリー)状態。そんな私を見て、友人や家族は「本当にもったいない」「残念美人」と言います。最近は職場の後輩まで、「先輩は美人なんだから、ちゃんとしたらいいのに~」と言い出しました。

美人と言われて悪い気はしません。(実際は目がぱっちりしているだけです)でも、勝手に「もったいない」とか「残念」と言われるのはなんだか腑に落ちません。私には夢中になっている推しがいて、そちらに全力投球していることはみんな知っているはず。「美人なんだから本気出したら彼氏できるでしょ。リアルな恋愛でしか学べないこともあるよ~」と諭してくれる人もいますが、なんだか失礼な気がします。

 


ひとつ褒めれば他のディスは無罪放免…って、そんなわけない!


「●●なのにもったいない」って、一種のマジックワードですよね。リカさんのケースでいうと、「あなたは美人だよ。でもおしゃれしたらもっと綺麗になれるのにもったいない」というように、全面的に否定しているわけではなく、リカさんのことを褒めつつアドバイスしているように聞こえます。

もしリカさんが、自分を変えるきっかけがほしいと思っているのであれば、ありがたいアドバイスかもしれません。でも、リカさんはそうではない。趣味に仕事に、とっても充実していて幸せなんですよね。この場合、なんだったらストレートに「もっとおしゃれしたら?」と言われるより、この「ほめて下げる」スタイルの方がモヤモヤするかもしれません。

 
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